『ふちがみとふなと』さんの。
★『ふちがみとふなと』さんは私たちが4年前に結婚したときに披露宴で演奏して頂いたユニットですから、クリスマスに聴きに行くにはピッタリでした。
★4年前、披露宴での演奏を依頼した時、渕上さんから「何か聴きたい曲はないですか?」と聞いていただいたので、お言葉に甘えて1曲だけリクエストをさせてもらいました。
★その曲は『美しき天然』。(ふちがみとふなとさんのアルバムにカバー曲として収録されています)
この綺麗な歌、昔から大好きなのですが、調べてみると作曲した田中穂積さんという方は長崎県、佐世保の九十九島の風景に想いを馳せてつくられたようです。月読を造って頂いた大工さんも長崎の船乗り出身だったし、このブログを書いている今日の大晦日が偶然にも田中穂積さんの命日でした。なにかしらご縁を感じます。
★さてこの曲、自然の美しさを謡っているのですが、欠かせないのは”色”です。僕はもともと色が好きで今の仕事を始めたわけですが(もし違う仕事だったら花屋とか宝石のカッティングの仕事とかに憧れがあります・・・)、『美しき天然』を聴いて思い浮かんでくる色たちはとてつもなく綺麗でいつも圧倒されてしまいます。実際の景色とか絵とか、視覚によってもたらされる色の美しさはよく感じることがあっても、聴覚からの色でここまで感動的なものは他に思いつかないですね。
★ただ今年の最後にこの曲を聴いてみて思うのは、色の美しさではなく”強さ”です。
★人にはそれぞれもって生まれた、そして育んできた色があります。”個性”という言葉だけでは言い表せないもっと多くのものを含む色です。
★当然、それぞれが持つその色は大切にするべきもののはずなのですが、世の中はそれを別の色に染めて(汚濁という意味で)しまおうとする歪んだ力がいっぱいあります。
★もし、汚濁に染まらないでいようとするのなら、たとえある場面で泥を被ったとしても(社会ではそういう場面が往々にしてありますね)、後にその泥を弾き飛ばすだけの強さが必要です。色が綺麗であるためには強さをあわせ持つことが不可欠なのです。
★美しい色を見ていると、本当の強さというものを考えさせられます。今、見るべき色が身近にない時でも、この歌を聴けばそれを忘れずにいられるような気がするのです。
日本に、世界に、人の心に、美しき天然が残りますように。
http://www.youtube.com/watch?v=FQ-moleGtLc =土居裕子 - 美しき天然
2012・12・31