このカクテルの誕生については諸説あって確かではない。
とくにどういった理由でこの名前がついたのかも。
人は大人になるにつれて何かしら汚れずにはいられない。時に濁り水を啜り、泥の中を這いずり回る。どんなに嫌であろうと避けては通れない事もある。この時、濁りに染まってしまうのか、それでも自分のカラーを保ち続けていけるのか?
汚れないことが強さではない、汚れ染まっても耐えられる、あるいは平然としていられる事が強さでもない。なにがあろうと決して染まらずにはじき返し、自分の色を保ち続ける事が強さなのではないだろうか。
ホワイトレディの香りをコトバで説明するのは難しい。
例えば初恋であるとか、古いアルバムを開いて懐かしい写真を見つけたような、胸がキュッと締め付けられて、少し心地よくもあり、哀しくもあるようなそんな想いのする香りのカクテルだ。
ホワイトレディに合わす曲は井上陽水の”いつのまにか少女は”がいい。この曲は大ヒットした訳ではないのだけれど、少女が大人になる瞬間をギリギリのところで写し撮った名曲で、ホワイトレディと共に”凛とした哀しさ”を内包している。
もしまだホワイトレディを飲んだ事がない人もこの曲を聴くと香りのイメージが湧くのではないだろうか。
いつの間にか少女は 井上陽水