Bar月読の窓からは中学校の校庭が見えて、その手前の通りには桜の木が数本、植えられています。
この中学校は7,8年前に改名して建て替えられたので、月読よりも歴史は浅く、桜の木もその時に植えられたものだから当時はヒョロヒョロとした小さな木でした。
いつか、成長したらこの窓から花見が出来るな、と思っていたのですが、2年前くらいからやっとそれらしき事が出来るようになりました。
僕はけっこう大騒ぎも好きな方ですが(時と場合により)、花見の宴会というのは苦手で、静かに、穏やかに花を見ながら過ごすのが好きなので、この場所の花見はもってこいなのです。
とくにこの窓から見る桜は夕暮れ時、ほんの短い一瞬に息を呑むような色の変化を見せてくれます。
桜は自らの花以外に周りの景色も美しく染め付ける。
夜の帳が降りてきて、店内に”誰そ彼”時の青が染み込む。
昔、『永遠の1/2』という名の小説があったけれど、
花が散り、地面につくまでの、永く短い刹那な青。
普段、オリジナルのカクテルは滅多に作らないのですが、この景色を意識して作ったカクテル、『夜桜 ワインダイキリ』
『春暁』という桜の花(塩漬け)をあしらった有名なカクテルがあるのですが、アルコール度数が強すぎて一般の、とくに日本人には飲めない方が多いのです。
でもどうにかして桜の花の浮かぶ優しいカクテルを作りたかったので、元々ある『ロゼワイン ダイキリ』というラムをロゼワインに代えた初心者向けのカクテルがあるので、それをアレンジしました。
ロゼワインを白ワインに代え、シロップを生砂糖にして全体的に薄く琥珀を色付け、檸檬ジュース、仕上げにブルーキュラソーを一滴。
ほんのり甘く、桜の香がします。
校庭の桜が咲き、陽が落ちて夜が満ちるまでだけの限定カクテル
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