ちょっとした用事で久しぶりに実家に帰り、聴きたかったレコードを持ち帰るついでに本棚にあったハードカバーの”ノルウェイの森”を手提げ袋に詰め込んできた。
ちょっとした用事で久しぶりに実家に帰り、聴きたかったレコードを持ち帰るついでに本棚にあったハードカバーの”ノルウェイの森”を手提げ袋に詰め込んできた。
大学生の時、失恋した。
その時の彼女が”別れ際”にくれたのが、このノルウェーの森だった。
当時、物語の内容に何か意味やメッセージがあるのかと慎重に読んだのだが、わからなかった。今だにそれはわからない。そもそも意味なんて無かったのかも知れない。
まあ、今となってはどうでもいいことなのだけど。
店のテーブルにノルウェイの森を並べてみた。相伴する酒はドライマティーニが相応しいように思う。
僕は村上春樹氏の作品の面白さがよくわからない。喪失感というのは現実だけで沢山で、本を読んでまで味わいたくはないと思ってしまう。
村上春樹自身が口にしてはいないが、氏のファンがよく使う”自分探し”というフレーズも苦手だ。
村上春樹氏のエッセイは好きなのだが、物語になると途端に難解になる。ある程度は解るのだけと、その向こうにある筈の扉がどうしても開かない。或いは近親憎悪に近いものかも知れない。
誤解されたくないのだけれど、キライなのではなく、ワカラナイ、のだ。
難しいな、と思う。
それ故、どうして彼の作品はあんなに売れるのだろうと不思議で仕方ない。ま、自分の読解力がないだけの話かもしれないけど。
それと同様にドライマティーニの味もよくわからない。
美味しさのバランスを無視した極端な禅問答のようなレシピで、どうしてあんなに人気があるのだろう?
強いアルコールに弱い筈の日本人の多くが、あの強いマティーニを人気No.1に押し上げることがとても不思議で仕方ない。
そして僕はこの仕事をしているのにもかかわらず、未だにドライマティーニの美味しさが理解出来ずにいる。
きっとこちらも”扉の向こう”があるのだろう。
ただやはり、村上春樹にしてもドライマティーニにしても、その”人気”に対してはかなり懐疑的ではある。
まあ、村上春樹に対しては失恋した逆恨みが、若干、無くもない…かも。(笑)
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