SINCE 2004
京都の繁華街から外れた場所。
ジャズレコード、蓄音機、シーメンスのスピーカー、ビリヤード台、昭和歌謡、古書…シングルモルトをはじめとする蒸留酒とスタンダード・カクテル。
外の世界とは少しだけ時間の流れが違う場所。
詳しくはオフィシャルサイトをご覧下さい
2013年5月5日日曜日
5月の海のウイスキー
スコットランド・ジュラ島のウイスキー『ジュラ』
ここで造られるモルトは殆んどピートを焚くことがないので穏やかな味わい。そのため主にシェリーの樽で熟成されその香りが付加されるのです。
個性よりも飲みやすさを重視したシングルモルトといえます。
ところが仕入先で薦められたこのボトラーズブランド(本来の蒸留所から樽を買付け、独自の樽に移し変えて販売する業者の総称)の『G&Mコニサーズチョイス・ジュラ』にはオフィシャルにはない強い個性が現れています。
朝の海。金色の砂浜の光が目に飛び込んできて心地よく眩しい感じが第一のインパクト。
その後、僅かに苦味のある柑橘、グレープフルーツとジンジャーティー、ライ麦パンの味。
次にコーヒーの仄かな苦味と生クリームを添えられたアップルパイのデザートへと続きます。
明るい海辺の朝の朝食。シングルモルトでこのような陽の光を想起させるものは珍しく、実際、産地であるジュラ島は蒸留所のある他の島の中でも最も人口が少なく、岩肌が剥き出しになった荒涼とした場所であり、おおよそウイスキーの味というものは産地のイメージと直結しやすいのに、この思いがけない光景は樽と熟成の魔法だとしか思えません。
重厚で複雑な味のウイスキーは多くありますが、軽やかなのに複雑なものはとても珍しく、新緑の季節に相応しいウイスキーです。
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