午後、買い物に行った帰り道。
僕の前を日傘をさしたおばあちゃんと小学4年生くらいの孫とおぼしき少年が連れ立って歩いている。
二人の背丈はちょうど同じくらいで、時折、日傘の骨の先が少年の頭に当たるらしく、「痛いよ、おばあちゃん」というような風情で、少年は頭に手をやる。
二人の歩みは遅く、彼らを追い越したあとで、後ろの方からおばあちゃんの声が聞こえてくる。
「お前が大きいなったんかなぁ、私が小さあなったんかなぁ」
孫に向って言っているような、独り言を言っているような、小さな声。
夕立がきそうな空。
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