『おいしい』の仕組みを考える 番外編
~美味しいハイボールの作り方~ Bar月読スタイル
前回ブログでハイボールについてお話しましたが、自宅などでハイボールを作る時のちょっとしたコツなんかをご紹介したいと思います。
前回のブログでは銘柄はタリスカーというシングルモルトにしましたが、ここでは一般家庭用についてなので、ウイスキーの銘柄は”何でもあり”ということにします。
あと氷ですが、本来なら冷蔵庫の製氷機の氷はあまり美味しくないので、コンビニかなんかで、ブロックアイスを購入するのが望ましいのですが、家で軽く飲むのにそんなに時間や手間もかけてはいられないので、製氷機の氷もあり、ということにします。
まず用意するもの。
ウイスキー 氷 マドラー グラス 炭酸ソーダ 小皿
グラスを冷凍庫で1,2分冷やします。
炭酸はあらかじめ冷蔵庫で冷やしておきます。
完成後、氷が溶けて水っぽくなるのを防ぐことが最大のポイントです。
小皿にウイスキーを少量(ティースプーン1杯くらい)垂らし、冷凍庫で冷やし終えたグラスの縁にそれを塗ります。
ソーダで割ることによって薄まったウイスキーの香を補うためです。
次に氷をグラスに入れます。この時、なるべく大きな氷が望ましいのですが、それは大きいほど表面積の割合が小さくなって溶けにくいという理由がひとつと、グラスの内壁と氷の間に隙間が出来やすいというのが理由です。これについては後述します。
写真上 グラスと氷の間に大きな隙間があり、底が見えているのが分かります。
グラスにウイスキーを注ぎます。量は30ml (お好みで40mlでも60mlでもかまいません)
料理用のメジャーカップでも構いません。
ソーダを入れる前にマドラーでウイスキーをステアして(混ぜて)冷やします。
この時、想像力が大事です。冷えたソーダーと同じくらいの温度になるように”想像して”混ぜます。
同じ温度にウイスキーが冷えたと思ったら(あくまで想像で結構です)、混ぜるのを止めます。
この時、最初にグラスの中に氷を入れた時の様にグラスとの間に隙間を作って、底が見えるような部分を残します。(写真下)
ソーダの入っている瓶(ペットボトル)の内容量をあらかじめ減らしておいて、グラスに注ぎ込む量だけを残しておきます。
比率はウイスキー1に対して3から4です。
清涼感重視なら4倍、濃い味が好みなら3倍です。(2倍でもOK)
先程、ウイスキーの量は30ml入れたので4倍なら120mlです。(僕は1:4が好みです)
空瓶に水を120ml入れてみて、どの高さまでがその量なのか、あらかじめ調べておきます。
写真上の量が120mlなので、この量になるまで別の容器に移して減らしておきます。
その後、グラスにソーダを注ぐのですが、この時、底が見えている部分に向かって”グラスの内壁を滑るように”底に流れていく感じで、なるべく泡が立たないように静かに、それでいて強く、ウイスキーとソーダが混ざり合うように落し入れます。
これは完成した時、炭酸ガスがなるべく抜けないようにするためです。
あらかじめソーダの量を調整しておいたのも、一気に流し入れて、その後、ステア(マドラーで混ること)をしなくて済むようにするためです。
つまりソーダを注ぎ終わったら完成で、その後、マドラーは使わない”ノー・ステア”スタイルなのです。
完成(写真上)
さて、例えば夏の蒸暑い日だとか、使うウイスキーが角などの香が脆弱なタイプの場合、完成したハイボールにレモンピールを施すとより美味しくなります。
レモンの皮を軽く削いで、指で折りたたむように軽く潰すと果皮にある油脂が飛んで、ハイボールに柑橘の爽やかな香が付着します。
真上からすると苦味が付いてしまうので、グラスのやや前方から15cmくらい飛ばすような感覚で行うと上手くいきます。
以上、Bar月読スタイル 美味しいハイボールの作り方でした。
家庭ではソーダの余分な量をあらかじめ他の容器に移し入れる作業は手間なので省いてもらっても構いませんが、その代わり、瓶のどの辺までソーダの量が減ったら120ml(入れたい分の量)を入れたことになるのかを把握しておく必要があります。
★ おさらいポイント ★
① グラスとソーダをよく冷やす。
② 氷を入れ、ウイスキーを注いだらソーダを入れる前に、まず混ぜてウイスキーをソーダの温度になるように冷やす。
③ ソーダを注ぐときは勢い良く、それでいて静かに注ぎ、”ウイスキーとよく混ぜる”ことと”炭酸ソーダーの泡を抜かない”ことの相反する仕事を同時に行う。
では、家庭でもより美味しいお酒を楽しんでください。
(因みにBar月読では配合比率は1:3でお出ししています。)
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