最後の1本だった。
『シングルモルト ブラックアダー/ロックランザ12年』
このボトラーズブランドの出しているロゥ・カスクシリーズは、フィルターを使わず、カラメル着色も行わずに樽の中身をオリ(沈殿物)もいっしょにボトリング、除去しているのは樽由来の大きな木片だけで、ボトリング工程で失われる量は0.5%未満という、ほぼ樽の中身そのままというウイスキーの逸品です。
普通、ウイスキーを何種類かの樽(シェリー樽とかバーボン樽など)を使って寝かせると、多様な香りがひとつにミックスされた完成品になるのですが、このロックランザはそれぞれの香がまるでバームクーヘンの層のように独立して存在しています。
杏 マンゴー パイナップル チョコレート コーヒー バニラ…
口に含むとその香りや味が順番に現れて来ます。それらが”渾然一体”というのはよくあるのですが、”独立して存在”というニュアンスは初めてでした。
虹を口に含んだらかくや、というようなウイスキー。
少数生産品なのでBar月読で手に入るのはたぶんこれが最後の1本になるでしょう。モルト好きの方には是非、飲んでいただきたいウイスキーです。
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