ホームページ

〜Bar月読ホームページ〜
http://bartsukuyomi.wix.com/home

2015年7月27日月曜日

浦和旅



おそらくそこで暮らしのある友人に誘われなければ一生訪ねる事がなかった可能性の高い場所、浦和。



駅前の路地では新旧が混在し、夕刻からは飲屋街、日中は明るい商店街として賑わっていた。



京都で例えると昼間は屋根のない寺町通り、宵からは古き良き時代の木屋町通りの風情の二面性を持っている街といった感じだろうか。



街もそこに住む人たちも健やかでとても居心地が良かった。


2015年7月21日火曜日

臨時休業のお知らせ

2015年 7月22日(水曜日)は都合により、休業させて頂きます。
ご迷惑をおかけ致しますが、ご了承の程、宜しくお願い致します。


女王様の取り扱いには注意

先週の木曜日、早起きして”名画座”的な映画を観に行く。

今週は”アフリカの女王”。

明日までの上映だったので台風の影響を考えると選択肢は今日しかなかった。



この企画映画シリーズの致命的欠陥は朝の10時から1日1本しか上映しない事だ。夜中に仕事してる身としてはかなりヘヴィな時間帯…まあ、今日の夜はどうせ暇な台風ナイトになると思うけど、それにしても眠い。

映画館に行ったら必ず帰りにガチャガチャをやる。たぶんこれはもう習性のようなものだ。
今日は永井豪のマジンガーシリーズをみつけた。

ロケットパンチを発射しているマジンガーZが欲しかったのだけど、サンダーブレイクを撃とうとしているグレートマジンガーが出てきた。



サンダーブレイクっていうのは指先から雷を落として敵を攻撃する必殺技のひとつだ。

時たま、嫁さんがこの技を使って僕を攻撃する事があるので要注意。

ボギー、あんたの時代は良かった…

2015年7月9日木曜日

ダブル ラッキーエビス

もう30年ほどバーの仕事に携わってきたけど、1ケースの中から2本のラッキーエビスが出てきたのは初めてじゃなかろうか?

どーも運を無駄遣いしてる気がする…


2015年7月4日土曜日

反抗の酒

旅人―――

Barには時々、旅人がやってくる。

観光、仕事、放浪…地元の人ではない方々。
つい先日、旅人が月読にやって来た。お客様なのだから“お越しくださった”とか書くべきなのだろうが、ここは旅人らしく“やって来た”とさせて頂こう。

男性、それも同世代くらいか…
1杯目のジンをオンザロックで飲みながら、旅人はバックバーの棚にあるレコードを眺めている。
「この店はジャズ、ですか?」と旅人が僕に問う。

このテの質問に答えるとき、僕は他のお客様の状況や問いかけた人のタイプによって内容を変えている。

タイプAの答え
「はい、概ねジャズです」

タイプBの答え
「概ねジャズですが、時々ビートルズやカーペンターズなどをかける事もあります」

今回は店が暇で―――雨も降っていたからだと言い訳しておこう―――、この旅人も“なんとなく”そんなニオイがしたので僕はタイプCの答えを口にした。

「概ねジャズですが、時々ビートルズやカーペンターズ、キャロルキングなどをかける時もありますし、場合によっては昭和歌謡を流したりもしますよ。どちらかというと本質は“昭和歌謡Barを目指しています w  ああ、あとは中島みゆきとか―――」と言いかけたとき旅人が少し声のトーンを上げて僕に聞き返してきた。

(旅人)「中島みゆきがあるのですか!?」

「ええ、最近のはないですけど、昔のは全部揃ってますよ」

(旅人)「レコードで?」

「ええ、レコードで」

(旅人)「…」

「何なら今から、かけましょうか?」
という事で、旅人が2杯目のジンをゆっくり飲んでいる間にLPを二枚ほど聴いただろうか。
ターンテーブルが止まって音が途切れた時、再び旅人が話し始めた。

(旅人)「実はですね、昨日は横浜にいたのですが偶然入った老舗のBarで中島みゆきを聴かせてもらったのですよ、それもYouTubeで w」

「老舗のBarとYouTubeと中島みゆきですか! どこにラインを結んでも全部違和感のある組み合わせですね w」と僕。

(旅人)「そうなんですよw あのう、それでですね…YouTubeの音とレコードの音を聴き比べてみたいので、昨日、横浜のBarで聴いた曲をリクエストしてもいいですか?」

「もちろん、その曲があれば、ですけど…」

*** 世の中はいつも変わっているから ***

(旅人)「あ、その前にお代わりをお願いします。何でも飲めるので最後は”お任せ“しますので何かください」
*** 頑固者だけが悲しい思いをする ***

(旅人)「やっぱりレコードの音は違いますよね!」

*** 変わらないものを何かにたとえて ***

(旅人)「この曲を聴くと思い出すんですよね、子供の頃に観てたTV番組…」

*** その度崩れちゃ そいつのせいにする ***

「ああ、“金八先生”でしょ?」

*** シュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく

*** 変わらない夢を 流れに求めて

*** 時の流れを止めて 変わらない夢を

*** 見たがる者たちと戦うため


そうは答えてみたものの、僕は“変わらない悪夢を見たがる者たち”の系譜と、それから、沖縄のことも思い出していた。






――― 頭の中で少し旅をした ―――

1700年初頭。
戦争でスコットランドはイングランドに併合され、ウイスキー造りはそれまでの何倍もの重税を課せられるようになった。

それに抗う人々は山深い奥地に隠れ、密造を始める。(モルトの銘柄に“グレン―谷―”がよくつけられているのはその名残だ)

そして100年以上後の1823年、ついに政府は税収がままならないために酒税法改正に踏み切り、以前のように公にウイスキーを造る事が出来るようになった。

レジスタンスの勝利だった。

ただもう一点、興味深い事もある。

この密造時代にスコッチウイスキーの最も特徴的であるピートで麦芽を乾燥させる事と、シェリー酒の空樽で寝かせて琥珀色に熟成させる事が始まっている。

暗黒の時代であってもなお人は知識や技術のスキルアップを可能とし、熟成し得ることが出来るのだという事実。

シングルモルトは“レジスタンス”、“反抗”のシンボリックな酒だと思う。



――― 旅人の3杯目のご注文。

世情を聴きながら、僕は“お任せの酒”を注ぐためにモルトの並んでいる棚に手を伸ばした。

2015年6月5日金曜日

祭りばやしが聞こえる

ジンフィズ。

このカクテル、僕は作るのも飲むのも大好きな飲み物のひとつなのだけど、最近では注文を受けることは少なくなった。

ただし作るにあたっては、けっこう手間のかかるカクテルではある。

今夜、bar月読は珍しく忙しかった。”いつ来ても空いている”が売りの寂れたバーの木曜日の夜なのに…

ジンフィズが四つ出た。
月読、始まって以来の一夜にして4杯のジンフィズだ。

と、同時にモヒートが3つにソルティドッグにジントニックにブラッディシーザー2つにカルアミルクが4つ。あとシャルトリューズトニック3つに…ええっと、あと何だっけ?
途中でお一人様がもう2人を迎えに行ったから乾杯に合わすには…えーっと、彼女の注文は何だったかな?
それはまだ作っては温くなるのでダメだし、後回し…ああ、ミントが足りない‼︎

とにかく木曜日の夜だからヒマだろうと余裕こいて過ごしていたら北島三郎が5人くらい入って来て一斉に祭を輪唱で歌い出したような、そんな夜になった。

昔ならこういうシュチュエーションは大好きで、頭で考える前に身体がパッパッと反応してスムーズに仕事がこなせたのに、今はもうダメだね、頭も身体もモタモタして全然ついて行かない。

「悲しいけどコレ、年齢なんだよね…」

衰えは隠しきれない、衰戦士…(575)

あ、歳がいってもひとつだけは発達してるな、”口”とか”言い訳”とか?

…全然ダメじゃん。


2015年6月4日木曜日

ステキな恋の別れ方

小説に出てくる男女の別れのシーン(会話や台詞について)で、特に印象深いものが2つある。

ひとつは作者もタイトルも覚えてはいない。話の内容もイマイチだった気がする。なのにそのシーンだけは覚えているのだから、やはり”よほど気に入った”のだと思う。

たしか大学生くらいの青年が一時、何だったかの店でアルバイトをする。そこには彼よりかなり歳上で物静かなお姉さんが若くして(店を商うにしては)店主をしていた。

二人はお互いに彼氏彼女がいる身であり、なんだかんだありながらラストで青年はアルバイトを辞めて店を出ていく。

この間、二人はプラトニックな関係であり、自分の意思表示は一切、相手に分かるようには現してはいなかった。

別れ際、青年が彼女を見て「さよなら。僕はたぶん、少しだけ貴女の事が好きでした…」という。
彼女はそれを聞いてまっすぐに青年を見つめ返して「さようなら…わたしもきっと少しだけ、貴方の事が好きだったわ」と応える。

これだけなんだけど、この”たぶん、きっと…少しだけ”あなたが、という微妙な機微がとても甘痛い感じで良かったんだなあ。

もうひとつはチャンドラーの長いお別れでマーロウが最後に呟く「サヨナラを言うことは少しの間、死ぬことだ」かな。

この小説も話の内容やプロットよりも会話や台詞が断然優れている類だったけれど…
高校生の時にコレ読んで「カッチョイー! 自分もいつか別れ話のあと、この台詞を言ってみよー」と思ったものだった。

あれから数十年、人生とはままならないものだと身に染みている。サヨナラを”言われて”死ぬ事多数。未だ”言って”死んだことはない…



カクテル ダスヴィダーニャ
(ロシア語でサヨナラの意)

ウオッカとグレープフルーツ、少しのライムとアクセントにサクランボのリキュールを。
ほんのりサクランボの香りが今の季節とマッチングして、飲むには旬も感じることが出来ます。

時間が経てば甘く美味しく思える…そんなサヨナラ、いいですね。