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2012年5月28日月曜日

春の丘陵で悔恨のウイスキーを


★”スプリングバンク  ランドレッツ&キルダキンズ”(写真)は シングル・モルト、スプリングバンクの限定品です。
★原酒をランドレッツ(50リットル)とキルダキンズ (100リットル)の小さな樽で熟成を促すのが特徴で、そうすることによって通常より早く熟成が進み、樽香がより強く残ります。★18世紀の貴族の間で流行した造りのものが再現されました。★濃い香りと味が好きな方にはお薦めです。

★スプリングバンクはスコットランドのキンタイア半島で生産されますが、この地方のモルトを総称して”キャンベルタウン・モルト”といいます。(日本酒でいえば新潟とか仙台の酒というように、その地方で造り方や味に大まかな特徴がみられるので、スコットランドでも地方の総称で括った言い方をします。たとえば”ハイランド・モルト”とか”アイラ・モルト”とかです)
★キャンベルタウン・モルトは現在、2基の蒸留所を残すのみとなっていますが、とりわけスプリングバンク蒸留所はスコットランドに150近くある蒸留所の中で唯一、全生産過程を自社で賄っており、シングルモルト・ファンの間でも非常に評価の高いウイスキーのひとつです。


★スプリングバンクのような優秀な蒸留所があるキャンベルタウン地方が衰退したのは明確な理由があります。★キンタイア半島はスコットランドの南西にあり、アメリカと貿易するのに優れた立地にあります。アメリカが禁酒法の当時、密造酒がまかり通っていました。キャンベルタウンの蒸留所はアメリカに”売れる”のをいいことに粗悪なウイスキーを造り、輸出し続けました。その後、時代が変わると世間から”劣悪な酒の地方”としてだけ認識され、衰退の一途をたどり、良質なものだけが生き残る結果となりました。

★スプリングバンクはそんな歴史を鑑みながら、経営者やモノ造りに携わっている方たちが自らの指針を確かめ、しみじみ味わうのにいいウイスキーかもしれません。もちろん私自身も自戒の念を込めて、です。

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