☆美味しい定義の理想的なレシピ
最後にスタンダードカクテルの中から、もっとも『美味しい定義』に見合ったカクテルをロングドリンク、ショートドリンクから各1種類、ご紹介します。
<スプモーニ>
カンパリ、グレープフルーツ、トニックウォーターの組み合わせ
それぞれに苦味、甘味を持ち、カンパリの弱いアルコール分とトニックに含まれる炭酸の刺激が絶妙に和合。
グレープフルーツのフレッシュな香、炭酸の弾ける音。
完璧な組み合わせの優しいカクテルです。
<マルガリータ>
テキーラ、コアントロー(=オレンジ果皮リキュール)、ライム(またはレモン)
現在のレシピではライムの方がよく使われますが、ここではレモンレシピを採用します。
テキーラ、コアントロー、柑橘にそれぞれ苦味があり、コアントローの甘さ、レモン果汁の酸味、テキーラのアルコール刺激、オレンジ、レモンの風味、あと、Ⅸのページで述べたレモンと甘味の抜群の相性の良さ、それに加えてグラスの縁に付けられた塩。
甘味 酸味 塩味 苦味 うま味、そしてアルコール刺激による辛味を含めて、すべての味の要素を合わせ持つ完璧なレシピのカクテルです。
☆カクテルを考えたり、作ったりするのは恋人を探すのに似ています。
相性の良さ、共通の要素、お互いを高め、引き立る。
でも中々そんな相手は見つからないし、つくれない。
繊細で美しいのだけれど、、ちょっとしたミスや手抜きですぐに壊れてしまうことも。
だからこそ上手くいったときは最高に嬉しいのですけどね。
といったところで、長く続いたこのシリーズを終わりにしたいと思います。
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