SINCE 2004
京都の繁華街から外れた場所。
ジャズレコード、蓄音機、シーメンスのスピーカー、ビリヤード台、昭和歌謡、古書…シングルモルトをはじめとする蒸留酒とスタンダード・カクテル。
外の世界とは少しだけ時間の流れが違う場所。
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2013年3月23日土曜日
最後の選択
『猿の手』という物語があります。
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「猿の手」(「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」より引用 最終更新 2012年11月9日 (金) 23:05 )
「猿の手」(さるのて、原題: The Monkey's Paw)はイギリスの小説家W・W・ジェイコブズによる短編小説である。怪奇小説として知られる。
この物語は「みっつの願い事を叶えてくれる」伝統的なお伽話です。
老いたホワイト夫妻とその息子ハーバートは、インドの行者が作った猿の手のミイラを、知り合いのモリス曹長からもらい受けた。
モリス曹長が言うには、その猿の手には魔力が宿っていて、持ち主の望みを3つだけ叶える力があるらしい。だがそれは、「定められた運命を無理に変えようとすれば災いが伴う」との教訓を示すためのものだ、自分も悩まされたからと、曹長はホワイト家に渡すのを渋ったが、ホワイト氏は半ば強引に受け取る。
息子が冗談半分に、家のローンの残りを払うのに200ポンドが欲しいと言うので、ホワイト氏はそれを願ったが、結局その時は何も起こらなかった。
その翌日、一人息子のハーバートが勤務先の工場で機械に挟まれて死んだと知らせが届く。会社は賠償を認めないが、日頃の勤労の報酬として金一封を夫妻に支払った。その金額は200ポンド……。
老夫婦は息子の死を嘆き悲しんだ。そしてある夜、どうしても諦めきれない妻は夫に、猿の手で死んだ息子を生き返らせてくれるようにと懇願する。
ホワイト氏は息子の凄惨な死体を見ていたので、懸命に妻をなだめるが、彼女は半狂乱になって訴える。夫は断り切れず、二つ目の願いをかけた。
しばしの後、夫妻は家のドアを何者かがノックする音に気付く。夫人は息子が帰ってきたのだと、狂喜して迎え入れようとしたが、その結果を想像して恐怖したホワイト氏は猿の手に最後の願いをかける。「息子を墓に戻せ」。激しいノックの音は突然途絶えた。
結局、平凡な日常にささやかな抵抗を試みたホワイト夫妻は、大きな代償を払って元の日常に戻った。
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興味のある方は『猿の手』で検索してみてください。全訳されたものが出ています。とても短い小説で、数分で読み終えます
原発関連のニュースを見るたびにこの物語を思い出します。
ひとつ目の願いは私たちが願いました。
何も知らずにただ願いました。
ふたつ目の願いは政治家やメディア、その他、原発の利権を享受し続けたいもの達が願いました。
…願い事はあとひとつ、残されています。
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