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2014年3月13日木曜日

十三夜

見上げれば東の空に月ひとつ

満月ならば愛でられように
三日月ならば見取られように
満に足らず 若きに戻れず

昇ってみたはいいものの
何処に落つるか思案六歩

 彷徨うように歪みながら
十三夜の見限られた月ひとつ


2014年3月10日月曜日

ノルウェイの森とマティーニと

ちょっとした用事で久しぶりに実家に帰り、聴きたかったレコードを持ち帰るついでに本棚にあったハードカバーの”ノルウェイの森”を手提げ袋に詰め込んできた。


ちょっとした用事で久しぶりに実家に帰り、聴きたかったレコードを持ち帰るついでに本棚にあったハードカバーの”ノルウェイの森”を手提げ袋に詰め込んできた。

 大学生の時、失恋した。
その時の彼女が”別れ際”にくれたのが、このノルウェーの森だった。
 当時、物語の内容に何か意味やメッセージがあるのかと慎重に読んだのだが、わからなかった。今だにそれはわからない。そもそも意味なんて無かったのかも知れない。
まあ、今となってはどうでもいいことなのだけど。

店のテーブルにノルウェイの森を並べてみた。相伴する酒はドライマティーニが相応しいように思う。


 僕は村上春樹氏の作品の面白さがよくわからない。喪失感というのは現実だけで沢山で、本を読んでまで味わいたくはないと思ってしまう。
 村上春樹自身が口にしてはいないが、氏のファンがよく使う”自分探し”というフレーズも苦手だ。

 村上春樹氏のエッセイは好きなのだが、物語になると途端に難解になる。ある程度は解るのだけと、その向こうにある筈の扉がどうしても開かない。或いは近親憎悪に近いものかも知れない。

 誤解されたくないのだけれど、キライなのではなく、ワカラナイ、のだ。

 難しいな、と思う。

それ故、どうして彼の作品はあんなに売れるのだろうと不思議で仕方ない。ま、自分の読解力がないだけの話かもしれないけど。

それと同様にドライマティーニの味もよくわからない。
 美味しさのバランスを無視した極端な禅問答のようなレシピで、どうしてあんなに人気があるのだろう?
 強いアルコールに弱い筈の日本人の多くが、あの強いマティーニを人気No.1に押し上げることがとても不思議で仕方ない。

そして僕はこの仕事をしているのにもかかわらず、未だにドライマティーニの美味しさが理解出来ずにいる。

きっとこちらも”扉の向こう”があるのだろう。

ただやはり、村上春樹にしてもドライマティーニにしても、その”人気”に対してはかなり懐疑的ではある。

まあ、村上春樹に対しては失恋した逆恨みが、若干、無くもない…かも。(笑)

2014年2月17日月曜日

人間なんて

ちょとだけ昔の話。
 僕がまだ自分で店をしていなかった頃、たまに飲みにいく居酒屋があった。

ある時、そこの店主にいつか自分でbarをやるつもりだと話した。するとその店主が一手ご教授下さった。

曰く、世の中を賢い人と馬鹿な人に分けると圧倒的に馬鹿な人が多い。ゆえに賢い人にしか分からない商売をしても儲からないよ、例外もあるけどね。だから馬鹿相手に馬鹿に解るものを売らないと成功しないから。安いとか、量が多いとか、流行ってるとかね。
…と。

 以来、そこには行かなくなったのだけど、たまに何かの拍子でこの店主殿の格言を思い出すことがある。

 先日、割烹着が売り切れたという話を聞いて、ふとこの話を思い出した。

たまにね、こんな話を聞くと毒されそうになるけども。

くだんの店はもう今はない。
もしあの時に戻れるのなら、彼のセリフの後にこう付け加えてあげたい。

 店だって類は友を呼ぶんだよ、と。


2014年2月6日木曜日

伊藤博文さん

月読の前の店の時からのお付き合いあるお客様。

 久々にお見えになって「義父の介護で忙しくて中々、出かけられない」とのこと。

105歳だそうです。
 明治生まれ‼

若者よ、明治って知っているか?
チョコのメーカーじゃないぞ。

そのお父様、しっかりしてらっしゃるようで、何かに立て替えてもらっていた金三千円なりを今日、そのお客様に返してくれたそうです。
…ピン札の旧千円札。
お父様の財布には現在流通してる紙幣、貨幣はないんだろうね。
 聖徳太子や五百円札もあるのかな?

 凄いぞ、明治生まれ!

 介護、頑張ってください。
する方、される方、どちらもね。

 因みにこの三千円で今日の月読のお支払いでした。


2014年2月3日月曜日

アートテイタム

雨の日はだいたいMJQをかける事が多いのだけれども…こんな暖かい冬の夜の雨はどうにもしっくりこない。

なのでアートテイタムとベンウェブスターにチェンジ。
このアルバム、テイタム グルーブ マスターピーシズはジャズレコードの中でマイベスト10に入るくらいのお気に入りで、A面一曲目の’’風と共にさりぬ”が今夜の雨にはぴったりくる気がする。

お供の酒も思い切ってコーンウイスキーにしようか。


2014年1月31日金曜日

たけやぶやけた

あけましておめでとうございます。

本日、1月31日は陰暦での新年ですので、”月読”的にはこちらが正式な暦となります。

今年も宜しくお願いたします。


さて新年でおめでたい話がいいので、最近、お客様から聞いた話を。

竹。

その客様は「なんの役にも立たない話ですが…」と前置きした上で…


竹には雄と雌があるそうです。
ただ種としてあるわけではなく、異種二つを便宜上、雄雌に分けただけであり、別に甲と乙でもいいのですね。

で、どう違うかというと雄は地面から数えて最初の節に枝が1本、雌は2本出てるという違いだけで見分けるのです。

大筋の話では雄は日本古来の竹で、雌は平安の頃に中国から来た孟宗竹ということですが、この話がややこしいのは地域ごとや竹を扱う職業などでルールが違っていて、ある場所では雌が雄になっていたりします。

でもまあ、どっちでもいいんですけどね。大方の人にはそんなのは日常…というか恐らく一生関係ないですから。

ただ気になることがひとつ。

筍、雌の方が美味しいらしいですよ。(ここでは孟宗竹が雌。京都の竹は殆んど孟宗竹で、門松に使うのは日本古来の竹ということです。虫も竹もオンナの方が強いんですね…ああ人間も)

心情的にはなんか在来種の筍の方が美味しくあって欲しかったような、まあ、これもどうでもいいですね。


ところで筍の雌はどうやって見分けるのだろう? 枝、出てないし…

雄雌が混在している竹林でニョキっと出てきた筍が”誰の”子供か分かるのだろうか?

それとも孟宗竹オンリーの竹林から採れた筍なのか?

このお客様の話やネットなんかで調べてみると、多くの竹林は混在していて、里山の奥深くは大陸の影響を受けずに在来種だけの竹林だそうなのだが…

あと実際に味はどのくらい違うのかなあ。

結局、全てにおいてよくは分からないけど”まったく役に立たない話”でもなかったみたいで、ちょっと本格的な春が楽しみになってきた。

春、料理屋に行った時、こう注文しようと思う。

「筍の雌、下さい」と。


カクテルに”バンブー”という明治時代に横浜で生まれたものがあります。

シェリーをベースにベルモットを加えた食前酒向きの爽やかなものですから、バーコーナーのあるようなフレンチレストランに行かれたときはオーダーしてみては如何でしょうか?

ただし「雌のバンブーください」とは言わないようにお願いします。


2014年1月30日木曜日

大文字山

冬の休日。

日頃の運動不足を解消すべく連れ合いに引っ張られて、五山の送り火で有名な大文字山にアタック。

まあ、登山といっても付近の人は普段からの散歩コースにするような山なので小一時間程を歩けば山頂につくのだけれど。(犬を連れる人も何人か見かけた)

山に行く前、遠足にはサクマドロップとかキャラメルが要るなと思っていたのだが、麓付近は銀閣寺という観光のメッカで軒並み土産屋さんしか見当たらない。

コンビニがない…

連れ合いは八ッ橋を買っていこうと言い出すが何か嫌だ。

そうしてる間にどんどん進んでいって土産物屋の通りも最後の一軒となる。
最後の店はシュークリーム屋さん・・・

連れ合いは山の登山口に進もうとするので仕方なく妥協。急遽、ドロップからシュークリームとなるが、ここで大きな誤算が。てっきり紙袋に入っていると思った2コのシュークリームは個別に口のあいた小さな銀紙で手にもって食べ歩きが出来る用のもの。

山に登るので手ブラで来たのに、右手に連れ合いの分のカスタードのシュークリーム、左手にクリームチーズのシュークリームを持ちながらの苦しい態勢での登山が始まった。

坂を登りながら両手にシュークリームを潰さないように持っているので、手を振って歩けない。これはかなりしんどいことが分かる。10分ぐらいが過ぎた頃、仕方ないので食べながら歩くことにしたのだが、これも思っていたよりかなり苦しい。息が出来ないし、喉も乾くし。

もう次からは山を登りながらシュークリームを食べるのはやめようと心に誓う。

あぁ、サクマドロップ…


そんなこんなで怠けて固くなった体に鞭打ちながら、ひーひー言いつつ何とか頂上にたどり着く。

400メートルとはいえ、京都盆地が一望できる眺めは壮観で気持ちがいい。


「あそこが御所や」とか「あそこは加茂川や」とかなんだかんだ言いながらも結構、盛り上がる。




さて、家に帰ってピザ生地を作り、リオハのワインで登頂成功の祝賀会をする。


日常ではないけれど、非日常というほどかけ離れてはいない、そんな休日。