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2012年7月7日土曜日

ジントニックは危険な香り

★ジントニックというカクテルがあります。BARでは人気のカクテルで、月読でもいちばん注文の多いカクテルです。


★ジントニックは単純なレシピ故に、BARによって使うジンの銘柄、トニックウオーターの銘柄、レモンを使うかライムにするのか?はたまたプレーンか?と結構、味が違うものです。

★さて今回はジントニックではなく材料のトニックウオーターについてです。トニックウオーターについてご存知ない方がいらっしゃるかもしれませんが、清涼飲料水と思ってください。ちょっと苦味のあるサイダーという感じですかね。

(1)元々トニックウオーターはキナの皮から抽出されるキニーネがマラリアに効果があることが判明して、熱病対策に作られた飲み物ですが、残念なことに日本においてはこのキニーネが禁止薬物としてトニックウオーターには使われておりません。代わりに人工的なキナ・フレーバーが使われています。

(2)ところが最近日本でもキナ入りのトニックウオーターが発売されました。『フィーバー・ツリー』というトニックウオーターがそれです。


★(1)から(2)に推移した理由が調べても非常に判りづらいのですが、理解できた範囲で簡単にいうと、『日本のある法律ではキナは禁止薬物ですが、別の観点からはセーフだと。そのかわりもしセーフの法を用いるとしても、年々それは減らしていきますよ。』というのが(1)の段階で、よって日本ではいつセーフからアウトに変わるか分からないので生産するのは難しかったのではないかと思われます。もともとトニックウオーターなんて一般生活での消費量も少ないでしょうから。

★それが今回、人工添加物や保存料を一切使わないキナ入りのトニック”フィーバー・ツリー”が世界中で人気を博し、日本の法と輸入業者が斥候を重ねて販売に至ったと思われます。ただ、この経緯はネットで検索してもどうも曖昧で今のところ真相は薮の中です。


★さて、このフィーバー・ツリー(キナの木の意 写真上)の味ですが、日本でそれまで販売されていたトニックウオーターの味と比較して、明らかに違うと感じた点は意外なことにキナによる苦味ではなくて、ライムのような柑橘の香りが強いということでした。

★ともあれ、これで日本でも世界中で飲まれているジントニックと同じものが”表立って”作れることになったのですが、各BARの対応やお客様の反応はどうなのでしょう? 受け入れられていくのかどうか興味深いところです。(コストも従来より高めで、酒屋さんは否定的でしたが(笑))


★確かにフィーバー・ツリーを使ったジントニックは新鮮で美味しいと思いますが、私としては旧タイプのジントニックも捨てがたいと思っています。泡のキメ細かさで勝負すればシュエップスのトニックウオーターを使って作ったジントニックの方に軍配が上がる気がしますが・・・う~ん、でも総合得点となるとどうかなあ。


★当面、月読では『ジントニック』は2種類のトニックの使い分けしていこうと思っていますが、フィーバー・ツリーがシトラスの香りに特徴があるとすれば、むしろジントニックよりグレープフルーツを使う『スプモーニ』などの方がより和合性があるのかもしれません。このあたりはこれからのお楽しみです。

★最後に、フィーバー・ツリーが解禁される以前のキナ入りトニックウオーターがどんなものだったかといいますと・・・これがそうです。(残念ながら缶ですが)


★なぜこの”写真”が手元にあるかというと、それはBARの七不思議なのです。
(注 海外のトニックウオーターを持っているのは違法ではありません。念のため)

2 件のコメント:

  1. フレーバーツリーではなくフィーバーツリーと読むようです
    フィーバーfever=熱病  フレーバーflavor=風味、味
    熱病の木という意味はうんちくでわかりますよね

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  2. アクダクト様

    ご指摘のとおり”フィーバー”が正解です。
    これを書いた当時、仕入先の酒屋さんのポップにフレイバーと書かれていたので暫くはそう覚え込んでいました。(もちろん今は違いますが)もしかしたら、他にも”フレイバー”となったままの所が残っているかも知れませんので、後ほど確認していきます。
    ありがとうございました。      平岩

    それにしてもおそらくはカクテル名からだと思われますが、通好みなチョイスのネームですね。

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