★よくお客様に問われる質問にこんなのがあります。
「良い店とそうでない店の見分け方ってありますか?」と。
★この答えは人によってそれぞれ違うので、必ずしもこれがそうだと言い切れないのですが、今回は私的な意見ですが少し触れてみたいと思います。
★ただ長所を挙げるよりも、「これが出来ていないとダメ」という”店のタブー”で判断したいと思います。あと逆にお客様がよく犯しがちなBARでのタブーもひとつ。
★まずは『店のタブー』です。これはBARだけでなく飲食店全般についてです。
★先に結論から言います。
★それは『手を洗えているか』です。
★「なんだ、そんなの当たり前でしょ?!」と思われるかもしれません。確かに仕事に入る前はちゃんと出来ている人は多いはずです。
★でも”仕事中”はどうでしょう?
★仕事の途中、お会計をするとお金を触ります。ご存知の通りお金は非常に不衛生なものです。
★また板前や調理師が生肉や生魚を触って料理します。部位によっては食中毒をおこすような細菌もいっぱいです。
★さてその後。お金や生肉を触った手でそのまま野菜を切ったり寿司を握ります。またフルーツやチーズを切り、氷を触ります。
★そんな風に出されたグラスや皿の飲食物を口にしたいですか?
★「そんなの手を洗ってから次の作業をしているに決まっているでしょう?」と多くの方は思われるでしょうね。でももし『ちゃんと手を洗っている店』を”〇”、『洗ってない店』を”×”とすれば信じられないでしょがたぶん8割以上の店が”×”になってしまいます。
★もし今度、調理場と客席が同じスペースの店に行かれたときに注意深く観察してみてください。非常に残念で怖い実情を目の当たりにされると思います。
★「別にそのくらいいいですよ。今まででも大丈夫だったし」という強者もいらっしゃるかもしれません。でも考えてみてください。お客様から”見える所”でもそうなのです。そんな調理従事者が”見えない所”でする仕事は更に不衛生だと思いませんか?
★実際、”手を洗わない調理”によって食中毒ほど大多数に影響せずとも、少人数に軽い腹痛や嘔吐をさせている原因があることも多いのです。被害にあった本人がそれとは気づかないだけで。
★なぜ、こんな当たり前のことが出来ないのかその要因は幾つか考えられますが、いちばんの理由として経営者、上司、先輩などから技術は厳しく教育されても衛生観念は殆ど教わらない実情があります。つまり手を洗わないことの危険性を”知らない”ベテラン調理従事者が多く、それが代々受け継がれてきているのです。
★飲食業は不特定多数のお客様の躰の中に直接取り込む物を提供するという、他のどんな要素よりもまず安全性(衛生管理)を最優先させるべき職業です。
★もし自分の家族に幼児がいて、その子に不衛生な手のまま食事を作って与える人はいないでしょう。細心の注意を払って行うに違いありません。自分の家族に出来てお客様には出来ないということは、お客様を大事にしていない、”人として見ていない”ということなのです。
★私は自分が客の立場で飲食店に行ったとき、まず調理者が仕事の途中で必要なときに逐一手を洗えているか、を最優先基準としてその店を”良い店”かどうか判断しています。
★残念ながらこんなバカバカしいほど当たり前の内容をわざわざ強調するくらい、本当にびっくりするくらい出来ている店(人)は少ないのです・・・
(後)に続きます。
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