SINCE 2004
京都の繁華街から外れた場所。
ジャズレコード、蓄音機、シーメンスのスピーカー、ビリヤード台、昭和歌謡、古書…シングルモルトをはじめとする蒸留酒とスタンダード・カクテル。
外の世界とは少しだけ時間の流れが違う場所。
詳しくはオフィシャルサイトをご覧下さい
2012年8月7日火曜日
緑の代償
★数年前、今の家に引っ越してきたとき、いちばん嬉しかったのは庭があったことでした。庭といっても6疊より少し広いくらいの小さな小さな庭です。
★四季の木々や草花を植えたいと思いました。前に住んでいた家から持ってきた鉢植えの木も、地植えにしてのびのびと育てたいと思いました。
★農業とか園芸は(植物の)命を育むものであって、何の犠牲もなく、何の咎めもないと信じて疑っていませんでした。
★でもそうではなかったのです。ホームセンターで喜び勇んで買ってきた金属製の大きなシャベル。それで庭の土を掘り起こすと、その土の下にはたくさんの小さな命がひしめき合っていました。
★グサッ、グサッ、グサッと、シャベルを土に差し込む音。グサッ、グサッ、グサッ・・・
★音が一回するたび、確実に幾つかの小さな命が失われていきます。そして彼らは私よりも前からのこの場所の住人でした。
★一通り作業が終わっても、どこかやるせない気持ちが消えることはありません。生命を植えたかったのです。生命を育みたかったのです。自分の楽しみのために。でもそのために嘆くことさえ知らない可哀想な生命を数多く犠牲にしてしまいました。
★いたたまれない気持ちが消えなかったので、友人の雲水さんに頼んで庭で供養のお経をあげてもらったのは去年の夏のことです。
★彼は報酬が缶ビール数本だけだったにもかかわらず、正装で来てお経をあげてくれました。驚いたのは、ちゃんとそういった虫や小動物のためのお経があるのですね。その事実は人がはるか昔から大きなものだけでなく、幾つもの小さな犠牲の上に成り立ってきたのだということを改めて実感させてくれます。
★シャルトリューズ・ベール
★このリキュールの詳細は興味があればネット検索してみてください。いろいろと面白く、深いうんちくのあるお酒です。
★ここで取り上げるこのお酒の特徴はひとつだけ。実に130種類のハーブを香りづけに使っているということです。飲めば複雑な緑の香りが口いっぱいに広がります。
★アルコールに強い人はストレートかグリーン・アラスカ(ジン&シャルトリューズ)というカクテル。
弱い人はトニック割りや、スプモーニというカクテルのカンパリをシャルトリューズに代えたレシピのシャルトリューズ・スプモーニ(シャルトリューズ&グレープフルーツジュース&トニック)を。
かなり弱い人は水やソーダの入ったグラスにシャルトリューズを数滴落として飲むのがお勧めです。
★シャルトリューズ・ベールはリキュールの王女といわれていますが、飲むと130種の命の更にその奥に、もっと多くの生命を感じることのできるお酒です。
★8月は生命について、いつも以上に思う月ですね。
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