前回からの続きです。
★店のタブーは数えていけばきりがありません。ところがお客様のタブーは基本的に根っこはすべて同じなのです。
★それは『他のお客様に迷惑をかけない』という大前提。
★もしこの前提を破るような逸脱した行為があれば店側からの注意や制止行動がなされます。お酒を飲む席なのでそういったことは多々あるのですが、その場合、大抵のお客様は聞き入れていただけます。それは自分の行為や発言が店側スタッフや周りの人たちに指摘されると、直ぐにそれが『迷惑行為』だったことを自分で自覚出来るからに他なりません。
★でも中にはそう簡単にいかないケースがあるのです。それは何かと言いますと・・・
★答えをいう前に、少しお高くとまったBARでのマナーについてのウンチクをひとつ。
★カウンターに置かれたボトル、これは本来、お客様が触ってはならないものなのです。
★「なぜ?」と思われる方も多いと思います。というのは実際、当たり前のように簡単にボトルを触るお客様はとても多いですから。
★実は私自身もこのルールの本当のところの意味を誰かに教わった訳ではありませんので正しい理由は定かではないのですが、私はこう考えています。それは『安全管理』という理由以外にないと。
・・・もしボトルをお客様が勝手自由に触れたら。
★BARには不特定多数のお客様がいらっしゃいます。スタッフの目を盗んで異物を混入されたら大変なことになってしまいます。
常連様はこう思われるかもしれません。
「私がそんなことをすると思ってるの!(怒)」と。
★もちろん思っていませんし、考えたこともありません。でもボトルを『”あなたは触ってもいい”けれど、初めてお越しになった”隣のお客様”はダメです』とはできないのです。
★こうして書くと理解していただけることも、現場ではなかなか理解していただけない場合があり、気分を害される方もいらっしゃいます。そういったこともあるので一度ちゃんと整理して、お客様に誤解の無いように理解して頂きたいと考えたことが今回の趣旨です。
★ちょっと話が逸れました。ところでこの『ボトル、触ってはダメ・ルール』は店によって違いがあります。さらにいうと”店自体”がこのルールを知らない場合もあります。
★月読では基本的には『お触りOK (笑)』ということにしています。ボトルやラベルのデザインを見るのは楽しいですし、そのお酒の情報もボトルに明記されているので知的好奇心の強い方には是非とも手に取って読んでみたいでしょうから。(ちゃんと”管理”はしています)
★ただホテルのBARなどオーセンティック(正統派)なBARではボトルに触ろうとすると、必ずやんわりとお断りされることになりますのでご注意を。(どんな店でもまず「ボトルに触ってもいいですか?」と聞いてみるのがBESTですね)
★さて長い前置きになりましたが本題(答え)です。
★お客様の中にはカウンターに置いてあるボトルを手に取って、更に躊躇なく勝手に自分でボトルのキャップ(フタ)を開け、中のお酒のニオイを嗅ぐ人が割と多くいらっしゃいます。
「すいませんが、それはご遠慮ください」
と言っても、もう間に合わない・・・ 多くの方はキョトンとした顔をされます。
★その後、
「ニオイを嗅ぐだけですよ???・・・?」
とか、
「なんであかんの!! (怒)」
といったセリフが返ってきます。
★ここで困ってしまうのです。まさかお客様に
「ビンの中に鼻息が入って汚くなる下品な行為ですから、次にそれを飲む人に迷惑がかかるのです」
とは言えないのですよねぇ・・・ましてやお連れ様がご一緒となると。不思議なことにこのビンのフタを開けてニオイを嗅ぐ行為、普段はとても上品な方がされることが多いのです。だから余計にプライドを傷つけてしまうので困りものです。
★中には食い下がるお客様もいらっしゃって、
「私は絶対に(ニオイを吸い上げるだけで)鼻息をビンに入れたりしませんから大丈夫です!! (激怒)」
と言われます。
★でもねえ・・・仮にそうだとしても『ボトル、触ってはダメ・ルール』と同じで、あなたを”良し”としたら他の汚すかもしれない誰かも”良し”としなければならないのです。
★それに例えば回転寿司に行って、誰かがニオイだけ嗅いで元に戻した皿のお寿司を食べる気がしますか?(笑)
★この問題で重要なのは”ニオイを嗅ぐ”お客様が自分の行為が『他のお客様への迷惑行為』をしていることに指摘された後も理解できていないことで、それを解ってもらうためにはこちら(店側)がお客様のプライドを傷つけなければならない・・・ということなのです。
★未だにこの問題の解決策が思いつきません。『ボトル、触ってはダメ・ルール』を厳格にしたら少しはましになるのですが、あまり堅苦しいBARにはしたくはないし・・・
★最良なのは”行為”の前に知ってもらうことなのでしょうが、こんなマイナーなブログに書いたところで効果があるとも思えません。
★どなたか良い案があれば教えてください・・・と、丸投げで終わります。
m(_ _)m
~追伸~
一応、月読ではお客様が『におい』を希望されましたら、よほど貴重なお酒でない限り、小さいグラスに少量入れて『サービス』として提供させて頂いております。”行為”にでる前に何卒、一言、お声がけください。(笑)
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