SINCE 2004
京都の繁華街から外れた場所。
ジャズレコード、蓄音機、シーメンスのスピーカー、ビリヤード台、昭和歌謡、古書…シングルモルトをはじめとする蒸留酒とスタンダード・カクテル。
外の世界とは少しだけ時間の流れが違う場所。
詳しくはオフィシャルサイトをご覧下さい
2012年6月24日日曜日
助演男優賞、受賞カクテル
★少し前までは男の子が憧れるスポーツは今みたいにサッカーではなく野球でした。そして子供の頃はどんなに下手でも、やっぱり憧れるのですよ。”エース”や”4番バター”とかに。それはそれは頑張って練習しましたよ、一生懸命、ヒーローになることを夢見て。(笑)
★でもね、大人になるにつれ、いつしか殆どの少年は知るのです。たとえどんなに上手くなったとしても、自分は決して”エース”や”4番バッター”のタイプではないのだと。
★世の中には”玉拾い”だとか”審判”、”スコアラー”、”グランド整備員”とか、選手以外にも無数のポジションがあり、それぞれに大事な役割を担っていて、それが欠けると全体に支障をきたします。だからそれぞれのエキスパートは時に大きく賞賛されることもありますよ。
★でもですね、やっぱり主役格のポジションは脚光を浴びるし、派手で目立ってカッコイイのですよ。それをサポートするポジションは地味で目立たなくて忘れられることも多いし、評価さえしてもらえないこともよくあるし・・・って、こんなこと言ってると人間、小さいですか?(笑)
★社会のなかで”エース”とか”4番バッター”と、その他のポジションを分けるのは、もしかしたら”器の大きさ”かもしれません・・・ん? 自分の器の小ささをカミングアウトしてどうする?! いやいや、そんなことを言いたい訳ではなくて・・・
★たとえば映画で助演男優賞とかがあって、”主役を喰う”ような演技でキラリと眩しい光を放つ人もいるじゃないですか。だから主役以外のポジションに就いていても、そんな風に誇りをもって生きていきたいな、と、そういうことなのです。
★さて、BARにおいて主役は”酒”です。これは間違いないでしょう。ではエキストラはジュース類、果物、オツマミなど、たくさんありますが、その中で助演男優賞を選ぶとしたなら何でしょう?
★私が審査委員長だとしたら必ずこれを選びます。
~Bruce Cost(作者の人名) Ginger Ale ~
”生”生姜をそのまま無濾過で使い(ビンを立てると、すぐに底に生姜の繊維やカケラが沈殿します)、砂糖も天然材料を使用した、無香料のジンジャーエールです。
★ジンジャーエールを使ったカクテルはいくつかありますが、この”Bruce Cost ジンジャーエール”(以下BCGA)を使って作ると、まさに主役である”酒”を凌ぐ助演男優賞ものの働きをしてくれます!
★とりわけBCGAのいちばんの優れた特徴は”ジンジャービア”に酷似している点で、これはモスコミュールを作るのに最適なキャスティングです。
★では、BAR月読主催のモスコミュールを”演じる”にあたりまして、主役のウオッカは演技力もあり素質も抜群の”パーフェクト・ウオッカ”に出演依頼をいたします。芸名までも主役にピッタリですし。
★モスコミュールという名前は”モスクワの騾馬(ロバと馬の混血)”という意味で、ウオッカを使いアルコールが強い(後ろ脚のキックが強い)ことからのネーミングだとされていますが、私は違うと思っています。アメリカ側からみての、モスクワ=従順でノロマな家畜の隠喩だと解釈しています。
★一見、爽やかで人の良さそうな顔をしながら、懐でナイフを握っているようなしたたかなこの演目(カクテル)。やはり見どころ(味の決めて)は主役を喰うジンジャーエールの演技力なのです。
★鮮烈な生姜の香と刺激は日々のルーティン・ワークで疲れた心に、忘れていた少年少女の頃の情熱を思い出させてくれるかもしれません。・・・渋い脇役、かなりいいですよ。
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