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2012年6月15日金曜日

BARの片道切符

~BARでよくある迷宮事件~ (前編)

★お客様からこんな話をたまに聞くことがあります。
「BARに飲みに行って、グレンリベットの30年もの(*1)の水割り(*2)を頼んだら、バーテンダーに『この酒はそんな飲み方をする酒ではありません!』と言われた」と。
つまり”ストレート”か”トゥワイス・アップ”(*3)で飲めということですね・・・

(*1)長期熟成の高級ウイスキー(銘柄はグレンリベットである必要はありません)
(*2)ここでいう水割りはウイスキーと水を1対2,3で割った普通の氷入り水割り
(*3)トゥワイス・アップ(常温水をウイスキーと1対1で割ります。氷は入れない。ウイスキーを飲むのにいちばん適した飲み方とされています。ストレートで飲むよりは飲みやすいが、通常の水割りに慣れていると濃く感じます。


★このパターンの話を憤慨しながらいう人もいれば、恥ずかしそうにいう人もいらっしゃいます。こういった話の場合、断られたお客様の方も、断った店の方も両方が不幸になってしまい、得るものがありません。

★”怒ったお客様”も”恥をかいた”と思ったお客様も、もうその店に足を運ばない可能性がありますし、断られたお客様自身も、これから”珍しいお酒”や”ちょっと高級なお酒”を飲んでみようと思わなくなってしまう可能性があります。


★「そんな飲み方をする酒ではありません」といったバーテンダーの気持ちが解らない訳ではありません。長期熟成ウイスキーなどは氷を入れたグラスで飲むと大事な香が削がれてしまうからです。だからそのバーテンダーの”言ってること”は正しいのです。たぶん言い換えれば「高い対価を支払ってまで、飲む価値のなくなったものを注文するのは勿体ないですよ」ということでしょうね。

★ではどうすればいいのでしょう? 日本人の殆どは体質的にストレートで飲めないのです。ウーロン茶やジュースで割ってくれと注文されたなら話は別ですが、飲みたくても飲めない人にストレートのウイスキーを勧めるのは酷です。ストレートで飲めない人が長期熟成ウイスキーを本来の美味しさを損なわずに飲む方法、ないですかね?


★選択肢は次の4つです。
  1. 仕方がないので水割り(氷入り)を作る。
  2. ストレートで飲めないのならグレンリベット30年ではなく、12年のグレンリベットで水割りを作ることをお勧めする。
  3. 折衷案としてトゥワイス・アップで我慢してもらう。
  4. 香を損なわずに飲みやすい別の方法を考える。
さて、この事件、どう解決するかね? ワトソンくん!

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