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2012年6月12日火曜日

『FIZZ』の魔法使い

★「モヒートください」というお客様からのご注文、よくあります。モヒートは、ここ10年くらいですっかり定着した人気のカクテルです。

★しかしBAR月読では一貫して、「申し訳ございません。うちではモヒートを作っていないのです」と、お断りしてきました。

★理由があります。私自身の勝手な個人的感想なのですが、モヒートを美味しいと思えなかったのです。(「それはあなたの腕がないからでしょ?!」というセリフは心にしまってくださいね)

★モヒートのレシピ、簡単にいうとラムのフィズ(お酒+レモンorライム+シロップ+ソーダ)にミントを入れたものなのですね。ただラム・フィズよりかなりの手間が掛かります。”手間が掛かる”ということはその分、お客様の”お支払い”に反映されることになります。で、この”反映された分”に見合って、ラム・フィズよりモヒートの方が美味しくなっているかというと、「ちょっと物足りないな」と思わずにはいられません。そういった意味での”美味しいと思えない”なのです。


★・・・そんな訳で構想X年、試行錯誤の結果、やっと自分の納得できるモヒートが完成しました。本日よりBAR月読でも、モヒートを作らせていただくことにしました。(カクテルには厳密なレシピを守って作るものと、店や作り手がアレンジを施して作る、自由度の高いカクテルがあります。モヒートは後者です)


★月読版モヒート、一般のモヒートと大きく違う点は”フローズン・スタイル”(スムージー)にあります。普通、炭酸で割って作る”ロング・ドリンク・カクテル”にフローズン・スタイルはありません。そういった意味ではかなりの冒険作です。

★あと、甘味はガム・シロップのように精製されたものではなく、ラムの原料であるサトウキビの風味が残っっている”生砂糖”を使います。

★普通は絞って果汁だけ使うライムも、果肉ごとミントと一緒にミキサー(BARではブレンダーと言います)に入れて作るのも、本来のモヒートとは違います。


★モヒートの語源、諸説様々あって定かではないようですが、そのうちの一説に「魔法をかける」というものがあります。今回の月読版モヒートはかなり大胆なアレンジを施しました。上手に魔法がかかっていることを祈るばかりです。

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