★バーに行きます。席に座ると”チャージ料”なるものを取られることが多々あります。500円であったり、1000円であったり。高いところでは2000円を超える店もあったりします。
(;゚Д゚)!
★ヽ(`Д´)ノ 「ピーナツひと皿、勝手に出てきて1000円ってなにー?!」 と・・・お気持ちは分かります。
★「ピーナツは要りませんから!」と断っても、ピーナツは出なくなりますが、チャージ料がなくなることはありません。チャージはピーナツ代ではないのです。チャーム(つき出し)はあくまでもサービスであって、チャージ=ピーナツとは違います。
★(^。^) ”バーテンダー”という漫画があります。テレビドラマにもなっていたのでご存知の方も多いかと思います。その第一巻にこんなシーンが出てきます。
★チャージ料に文句を言う、場に似合わない若い男性客に、「ナッツの値段じゃないわよ アンタみたいな怪しい客を追っ払うため!」と、常連さんの女の子が言う行があるのですが、これ以降、チャージ料については触れられていません。つまりこれが作者のチャージ料に対する理解と解釈してよさそうです。
★店がチャージ料を設定して、それを支払うのが負担に思うお客様を入れなくする。お客様を寄り分け、店を一定のお客様のカラーに染める・・・こういう意味でチャージ料を取っている店、実際に知っています。だから、そういう手段としてのチャージ料という理解でも間違ってはいないのでしょう。
(@_@;)・・・
★でも私の思うチャージ料の考え方は違います。
(ー_ー)!!
★お客様から冗談交じりにこんなことをいわれる事があります。
(ノ∀`) 「いいなぁ、バーテンダーは。原価1000円ちょっとのボトルを買ってきて、一杯、700~1000円とかの値段で売ってるんやろ?(笑) ボロ儲けやな!」・・・と、こんな感じに。(苦笑)
Y(>_<、)Y
★少し計算してみますね。(分かりやすい数字に略して、又、他に原価が掛からないようにウイスキーをストレートで飲むと仮定します)
☆一本、1400円のウイスキーを買ってきて、店でお客様に20杯を売るとします。一杯あたりの売値を700円としたら、700×20=14000円の売上になります。
☆売上から原価の1400円を引くと12600円が純利益で、原価率は10%です。
(´∀`*) おおぉー、すごく儲かっていそうだ! 先程のお客様がいう通り、ボロい商売じゃないか!
・・・って、そんな訳ないです。
(T▽T)
★原価率 10%・・・ちょっと待ってください。
(゜∀。) 確かに税務署に申告するいわゆる”原価”は上記の通りですが、店が一杯あたりのお酒の値段を設定するときには、原価だけで考える訳にはいかないのです。他にもお金がかかっていますから。
★たとえばカウンターが10席のBARを仮定しましょう。使うお金は以下の通り。
家賃、月10万円
保証金 200万円
内装工事費 250万円
空調設備、業務設備費、消耗品費(冷蔵庫、テーブル、椅子、グラス、壁絵など)200万円
光熱費、月3万円
人件費。ここでは自分の給料。社会保証もないので取り敢えず月30万円
★さて、この店で上記の費用の回収を考慮に入れて、”角ハイボール”の一杯あたりの値段をザックリと設定してみましょうか。(月読に角はありません。念のため)
(^。^)y-.。o○
★1日あたり、店にお客様が一回転の10人は最低でも来てもらい、休日はなしと想定します。あと、工事費などの回収予定計画は実際の減価償却にもとずいたものではなく、一般的に”このくらいで回収できないと店は成り立たない”といわれる年月を更に計算しやすい月日に変えて計算します。
- サントリー角 1200円/20杯=60円
- 氷 20円
- ソーダー 50円
- 家賃 333円
- 保証金、(5年回収) 109円
- 内装工事 136円
- 設備費 109円
- 光熱費 100円
- 人件費 1000円
((((;゚Д゚)))) ・・・えっ!!
さて、角ハイボールが一杯につき、2000円近い値段の店にあなたは飲みにいきますか?(笑) でも本来、このくらいのお値段を頂かないと上記のお客様がいうような”ボロ儲け”には程遠いのですよ。
★・・・とはいえ、突っ込みどころ満載の計算なので実際にはここまで高くはならないと思いますが、一軒の店で一杯のお酒を飲むということは、酒屋さんでお酒を買ってきた分の原価だけでなく、回収が必要な”設備費用”が含まれていることを理解していただければ十分です・・・というか、こんなのは周知のことですよね。
(-。-)y-゜゜゜
でも本題はここからです。
★もう、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、この回収される”設備費用”は一杯のお酒の料金に含まれると、とても不公平なことになるのです。すべてのお客様が1杯しか飲まなければ問題はありませんが、たとえば3杯飲まれたとしたら重複して設備費用を3回も支払うことになりますよね。
★お酒の原価は飲んだ数にかかわらず公平ですが、家賃や内装費、使っている椅子やグラスや空調について支払う代金は一回でいいはずです。それなのに飲めば飲むほど、そのお客様が負担して損をしていくのは割にあいません。
\(^o^)/
★そこでチャージ料です!
一杯あたりの”設備費用”をかなり安く設定した値段にして、別途、チャージ料をお一人様から一回づつ設備費用として頂くことにすれば、公平に、しかも一杯あたりの値段を下げてお客様に提供できるのではないでしょうか。
★これが私の考えるチャージ料の意味です。
(ー_ー)!!
・・・因みにBAR月読ではチャージ料を300円、頂いております。
_(_^_)_ ご理解くださいませ。
☆~加筆~☆
★UP後、2、3の質問を受けましたのでお答えします。
Q1 「”設備費用”は他の商売でもあるのに、チャージ料は聞いたことありませんが・・・」
(Ans) ★そもそも”チャージ”の概念はその店の売り物に”時間と空間”が含まれる業種に限ります。そこに費用がかかっているからこそ、”現物”以外に”設備費用”を頂く訳です。たとえば電気屋さんに癒されに行く人はいないですし、そんな少数派がいても、それは商品という”現物”を見て楽しむことだと思います。
★物販業と飲食業では店の”空間”にかける費用(考慮)の割合が全く違います。仮にもの凄く店内内装を凝りに凝って設計した電気屋さんがあったとしても、その費用を家電の売値に反影するわけにはいきません。なぜならテレビを買うお客様は、他店とのテレビという現物の値段比較で判断するからです。「あそこの電気屋、ちょっと高い(値段が)けど、内装が素敵だからよく買いに行くねん!」という人はいません。
★あと、電気屋さんにテレビを買いに行って、「おかわりでテレビ2コ追加ね!」っていう人はいません。物販業ではお客様が購買個数を増やすほど、店の利益は比例してあがります。これは基本概念がお客様一人に対して1商品なのだからだと思います。”設備費用”回収は個々の商品に含んだほうが実際的でお客様に対してもメリットがあり、また受ける印象もいいでしょう。
Q2 「では、大きなレストランなどでは”サービス料”をとられますが、一般的な街のレストランではチャージ料なんてないですよ?」
(Ans) ★レストランは”食事”をしに行くところです。あらかじめコースが決まっていたり、”客単価”のバラつきが少ないので、”設備費用”は個々の料理に含めていても、お客様への不公平が出にくいのです。であるならば、わざわざ悪印象の”チャージ料”に分けて頂かない方がよいのです。
★お客様の注文数にバラつきのある”居酒屋”などは”つき出し+チャージ料”のある店が多いですよね。
どこの記事を見てもチャージ料に納得がいかなかったけど
返信削除ここの記事で随分と納得がいきました
みんなで空間と安価で飲めるための税金みたいなものなのですね…
ありがとうございました。