ホームページ

〜Bar月読ホームページ〜
http://bartsukuyomi.wix.com/home

2022年9月29日木曜日

半月と魚

 


夕空に紛れた半月を探しに、魚がよく見えたあの橋に行く。

瓶中の酒は枯れたとしても、魚はまだ泳いでいるのだから。















誰そ彼の刻

 

路地を歩いていると、小さな公園の奥から野球のボールが転がってきた。拾い上げてもう一度公園の方を見ると、垣根越しに少年が立っていた。左手にはサイズのあってない少し大きめのグローブをつけて。ボールを投げて返すと、少年はぺこりと頭を下げて、また向こうに走っていった。

誰そ彼(たそがれ)の刻。
まだ「誰だ?彼は」というほど暗くはない。なのに少年の顔はよく見えなかった。それでもあの横顔は何処で見覚えがあったのだ。記憶をたどりながらまた路地を歩きだし、数歩進んだところで、ふっとそれを思い出す。あの面影は遠い昔の自分自身ではなかったか?

 

振り返り、公園で遊ぶ子供たちの中にグローブの少年を探したのだが、もう見つけることはできなかった。

時々、狭間の季節に迷い込み、自分が自分に問いかける。誰だ彼は?と問いかける。

街路樹の影が長い。
もうすぐ『夜がくる』 by マークHAMA
ウヰスキーが飲みたくなった。