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2012年10月31日水曜日

長いお別れ

★ある日のお客様との会話。空港と駅ではどちらが好きか?というもの。

★この時のお客様は断然空港だそうで、そこに行くとまるで自分がこれから旅行に行くような高揚感を味わうことができるのだそうです。

★私は空港の徹底された搭乗管理が好きではなく、もともと飛行機に乗るのが怖い方なので断然、”駅”派です。”旅情”という言葉がしっくりくるのも好きですね。


★何より空港には無くて駅にあるものが特に好きなのですが、それは何か分かりますか?

★それは”発つ人”と”送る人”がそこで共有する別れの時間の長さです。空港は搭乗ゲートで否応なく離されてしまいますが、駅は列車の窓ガラスを挟むだけで最後までお互いの近くにいられます。

★乗物が動き出してからも飛行機はあっという間に消えていきますが、列車はゆっくりと動き出し、別れの時間はスローモーションのように琥珀色の中で過ぎていきます。

★この列車が動き出してから見えなくなるまでの長い時間、当人たちにとっては短いであろう時間の中に言葉には出来ない幾つもの会話があります。


★行き交う人々の喧騒、車輪のきしむ音、鉄と油のにおい、消えていく赤と青の光、むせび泣く汽笛・・・駅においてのシーンは幾つもの琴線に触れる要素があり、どうしようもなく五感を擽ります。


★さて、そんな駅での場面を思い起こさせるウイスキーがあります。


グレンフィディック 18年 (シングルモルト・スコッチウイスキー)

グレンフィディックは12年のものがポピュラーなのですが、この場合は18年ものでなくてはなりません。18年もののフィディックは甘口のシェリー樽で造られていて、そのため濃い琥珀色、鉄と油の混じった甘く焦げた香がして、何より18年という長い時間を感じることが出来るので、まさに”駅”においての映画のワンシーンを観るような心地にさせてくれるからです。


★ブログ・タイトルをレイモンド・チャンドラーの小説「長いお別れ」に引っ掛けて付けたので、ご紹介するお酒はこの小説にでてくる有名なカクテルでもよかったのですが、内容が時間の”長さ”についてだったので断念しました。何故ならこの小説ではこんな有名なセリフがでてきます。

・・・「ギムレットには早すぎる」 m(_ _)m



PS. 駅での別れのシーン。いちばん好きな場面は映画ではなくてこの曲にあります。
http://www.youtube.com/watch?v=4IT_ZHGsQXw



2012年10月28日日曜日

片思いのホット・カクテル

★10月も終わりに近づいてきて、朝夕は冷え込む日が多くなってきました。真冬よりもまだ身体に”慣れ”がないので、より辛く感じる時がありますね。

★こんな季節は温かい飲み物が恋しくなります。お客様のオーダーもホット・カクテルの割合が多くなってきました。

★ホット・カクテルを作るのは大好きなのです。お客様が飲まれるときの表情が普通の飲み物の時とは違うほっこりと染み入る感じで、それを見ると嬉しくなります。

★真冬に飲むホット・カクテルはクリーム系の濃厚で甘いものがよく似合いますが、この季節から晩秋にかけてはこんなカクテルは如何でしょうか。


~カシスとレモンティーのホット・カクテル~
ワインをベースに造られたオーガニック・カシスとフォションの紅茶リキュールにレモンを絞り、クランベリーとブルーベリーの実を落とし、温かいお湯で割ったカクテルです。


★月読のお客様で映画関係のお仕事をされている方がいらっしゃいます。この人、普段は陽気な三枚目の風情で周りのお客様を和やかにしてくれているのですが、たまに意味深な名言を呟くときがあります。この間、カウンターのお客様数人で恋愛話に盛り上がっているとき、彼がポツリと一言漏らしました。「恋愛は片思いのときがいちばん楽しい」と。


★確かに彼(彼女)と”目が合った”とか、”話すことができた”とか、自分のことを”気にかけてくれた”とか、日常の些細なことで一日中幸せに過ごせたり、会えないときに物思いにふけったりで、気分はジェットコースターのようにアップダウンを繰り返し、まるで遊園地で過ごすような毎日なのかもしれません。

★そういえば、このホット・カクテルは”片思いの楽しさ”に似ています。カシスやベーリーの実に心が踊り、紅茶の香りは穏やかな幸福感、レモンの味は切なさを。

★片思い進行中の方だけでなく、既婚者の方も遠い昔?を思い出して、秋の深まった肌寒い夜をホット・カクテルで楽しんでみませんか?






2012年10月22日月曜日

街物語

★バーにおいてバーテンダーが最もよく使う道具といえば、間違いなく『バー・スプーン』です。仮に一日中シェーカーに触らないことがあったとしても、バースプーンに触らない日はないでしょう。当然、バーテンダーにとって最も愛着のある小道具のひとつですが、このバー・スプーンの使い方だけでそのバーテンダーの力量がわかるとさえ云われています。


★遠く夜景を見て、街の灯ひとつひとつにそれぞれの人生や生活があるのだと感じるように、店のドアを開け、そこで時間を過ごし、またドアの向こうに帰っていくお客様を見ていると同じように感じることがあります。

★それぞれの物語のワン・シーンを例えばバーで過ごすわけです。人によってその場面はクライマックスであったり、CMタイムのようにちょっと一息いれる時間であったりと様々ですが。


★月読のような小さな町外れのバーであっても、10年近くこの地に根を張り、何人もの過ぎゆくお客様のワン・シーンを見ていれば、その人生やドラマが複雑に絡み合い、重なり合って街全体の物語を形成しているのがよくわかってきます。

★それはあたかも街という大きなミキシング・グラスに注がれた何人もの人生という酒を、空の上から見えない誰かにバー・スプーンでグルグルと掻き混ぜられているかのようです。


★出来上がったカクテルはやがて飲み干され、氷も溶けてカラになり、それでもまた酒は注がれ、バー・スプーンが音もなくまわされる、終わることのないこの繰り返しです。

★ただ、注がれる酒は甘いだけではすぐに飽きてしまうし、苦いだけでは飲めたものではありません。そう思うとこの見えない誰かが創った『街物語』というカクテルは実によく出来ていて、そのバー・スプーン捌きからこの謎のバーテンダーは凄腕なのだと思うわけです。

★この曲を聞きながら、今日はぼんやりとそんなことを考えていました。
http://www.youtube.com/watch?v=QWBVJVSO0sQ




2012年10月20日土曜日

雑貨のように”見て”お酒を愉しもう!!

★以前、当ブログにおいて、『飲めない人がお酒を楽しむ2,3の方法 』というタイトルで
http://bartsukuyomi.blogspot.jp/2012/05/blog-post_29.html
にて、アルコールに弱い方、もしくは全く飲めない方がBarでお酒を楽しんでいただく方法を幾つかご紹介いたしました。このときの楽しみ方は実際にお酒をグラスに注いで香を楽しむという手段でしたが、今回はお酒を使わずにBarを楽しむ方法をご紹介致します。

★といっても、そんな大袈裟なことではありません。単純にBarにある”ちょっと面白いボトル”を眺めて楽しもうという趣旨です。


★元々、月読のコンセプトに「飲めない人に、いかにBarを楽しんでいただくか」ということが、かなり強くありましたのでバック・カウンター(お酒が並べられているカウンター後部の壁や棚の総称)に並べるお酒の配列にも仕掛けがされています。

★本来ならお酒の並べ方は合理的にするものです。例えば使用頻度の高いものであったり、お勧めのお酒は前列に、あまり使わないお酒は後列に並べる方が仕事の効率は高まります。でも月読のバック・カウンターのお酒の並び方はそのように合理的には置かれてはいないのです。

★月読のバック・カウンターで最も目立つ前列の位置には、あまり使うことがなくても『変わった形のボトル』や『興味、注意を引くボトル』をもってきてあります。これはカウンターでお客様同士がそのボトルを見て話題にできたり、また私自身がお客様と会話をする糸口になるのを期待してのものですが、何より飲めないお客様がカウンターでお酒を『見て』楽しんでいただくことがいちばんの目的です。

★では『見て楽しいボトル』を少しご紹介致します。


☆これはイタリアのレモンのリキュールです。ボトルがイタリアの一部の地形を成しており、絵地図が描かれています。





☆このボトルはテキーラの一種(テキーラと呼べない)でメスカルといいます。日本では販売されていないもので、友人がメキシコで買ってきてくれました。ボトルに描かれている絵は手書きです!!





☆シャンボールという城の名前のリキュールでフランスのものです。木苺、蜂蜜、ハーブなどで造られていますが、最近、ボトルデザインがマイナー・チェンジしたのでもうこの王冠型のものは手に入らなくなってしまいました。私自身はそれほど「見て楽しい」とは思ってはいなかったのですが、何故か女子受けするボトルです。





☆禁酒法時代の密造酒を再現したもので、当然、当時はお酒のボトルは製造されてはいなかったので蜂蜜の容器に入っています。こちらは男性の方が興味を持ちやすいようです。





☆電球の形をした小瓶で焼酎が入っています。本物と同じ規格で作られているのでソケットに嵌るらしいのですが試したことはありません。この形のビンに入れる意味は特になく、たまたま小さなビンを探していたらこれが見つかっただけと聞いていますが本当のところは謎です。





☆ちょっと高級なテキーラの瓶です。底にサボテンのオブジェが飾られています。月読ではこの空き瓶を使ってミネラルウオーターを入れています。





☆当ブログで何度か登場した卵のリキュールのファンシーボトルです。これも終賣になってしまいました。赤玉、白玉と揃っていて芸が細かいです。(笑)





☆シンデレラが落としていったカラスの靴のボトルです。数種類の色(お酒の種類が違う)があり、写真はピンク・グレープフルーツのリキュールです。ある意味『ジャケ買い』のようなお酒で味は・・・
お客様からのお要望がない限り、滅多に使うことはありません。





☆洋梨がそのままビンの中に入った『洋梨で造られたブランデー』です。どうやってボトル内部に入れることが出来るのか?・・・がよくカウンターで話題になります。さてその答えは・・・??





☆哺乳瓶型ブランデーです。玩具のようですが、中身のブランデーは中級クラスのもので見かけほど悪く? はありません。よくミルクのリキュールと間違えられますが普通のブランデーです。甘くはありません。





☆スコッチの瓶です。ゴルフ発祥の地、セントアンドリュースのコース図が描かれています。キャップはゴルフボールです。


★如何でしたでしょうか?まだこの他にも『見て』楽しんでいただけるものは幾つかありますが、だいたいこんな感じです。

★どの街のBarにいかれても、それぞれの店の個性にあった『見て楽しいボトル』をバック・バーに見つけることが出来ると思います。ジュースでも飲みながらそんなボトルを探してみるのもBarの楽しみ方のひとつです。お酒が飲めなくても雑貨ギャラリーにでも行く感覚で気軽にBarを利用していただければ嬉しいですね。




2012年10月17日水曜日

タライ

★盥(たらい)

きっともう、この道具(もしくは言葉)を知っている人は少ないのでしょう。
元々は木製だったのが金盥、そしてプラスティックに変わっていき、今、都市ではすっかり見かけることがなくなりました。かろうじて見ることができるのは旅館か寿司屋さんくらいでしょうか。

たらい・・・簡単に言うと洗面器のデッカイやつです。外出先から家に入るときに手足を洗ったり、昔は洗濯に使われたり、あと出産時の産湯に使われたりもしていました。

夏には井戸水を汲んで野菜やスイカを冷やしたり、まだナイロン製の子供用プールが無かった頃には幼児用の水遊びに使われたりもしていました。今ではもう、”行水”なんて言葉も使われてはいないのでしょね。

私がまだ2~5歳の頃、よく暑い日に盥に浸かって行水させられていたのを辛うじて覚えていますが、写真さえも色がくすみ始めた遠い昔のことです。



写真上は正確に言うと盥ではないのですが、この頃はまだ”プール”という概念はなく、子供の水遊び用の大きな容器は全部まとめて『たらい』と呼んでいたように思います。



★私が幼児期を思い出すとき、この”たらい”というアイテムは必要不可欠な小道具となっていますが、実際、今住んでいる家にも”たらい”はありません。きっとこれからも使うことはないのでしょう。

ところが先日、ひょんなことから月読に盥があるのを発見しました。それは今年の誕生日にお客様から頂いたプレゼントで、以前、私自身が浸かっていた盥よりも洗練されたデザインと材質になって日常に溶け込んでいました。


・・・ああ、そういえば・・・洗練されているのはなにも盥だけでなく、浸かっているモノも違いますね。
・・・昔の写真の方に写っているのはシャンパンなんてカッコイイものではなく、いいとこスイカくらいでしょうか?


2012年10月15日月曜日

危険な関係のブルース

★「Bar」 (*´д`*) ああ、なんて危険な響き!! 


都会の喧騒、人ごみ、ダウンタウン・・・

重苦しい音を立てて開くドア、ジャズの音 張りつめた空気

虚ろにグラスをみつめる目、秘密の囁き、そして・・・男と女。

”危険が危ない”ハードボイルドなバーにはハンフリー・ボガードや松田優作、峰不二子がいたりする。

(-。-)y-゜゜゜


★ところが月読・・・

ダジャレ連発のお医者様とか、カツラを外して寝ている芸鼓サンとか、鰻の話しかしない教授だとか、アニメ・ソングを歌う板前とか・・・そこに松田優作はいない。どちらかというと内藤陳さん(知ってる人いるかな・・・)みたいなお客様方が多数。

★友人で常連客でもあったR女史は結婚後、東京に移り住み、よく電話で「あんな”ゆるいバー”は東京にはないで!!」と悪態をつく。

”ゆるい”っていうなっ!! (T_T) 
せめて”健全”とか”アットホーム”とか違う言い方があるやろう。

・・・実際、ご夫婦や親子(二十歳Over)でのご来店は多いので、これはとても嬉しいのです。


★という訳でちょっとだけ”危険なBar”に憧れる今日この頃、ご紹介するお酒は男と女の危険な関係のカクテルです。

男女関係の”露骨”なネーミングのカクテルも幾つかあるのですが、そこはそれ”ゆるいバー”の月読ですから、そこはかとなく色気の漂う一品をご紹介。


~ ビトウィーン・ザ・シーツ ~

(ブランデー・ラム・コアントロー・レモン)

★「ベッドに入って・・・」という意味の色っぽいカクテルです。

(#^.^#)

多少ブランデーの甘味はあるものの、レモン一滴を入れる以外はすべて40度以上のお酒を使っているので、かなりパンチが効いています。
まあでも、危険な関係の男女はお酒も強くないとサマにならないでしょうけど。

このカクテル、峰不二子のような女性がオーダーするととてもカッコいいでしょうね・・・って、いないか、そんな人。

(ー_ー)!!


★最後についでといってはなんですが、このビトウィーン・ザ・シーツを飲みながら聴くのに相応しいジャズ・ナンバーをご紹介。

~ 危険な関係のブルース ~


古いフランス映画のサントラでアートブレイキーの演奏が有名ですが、作曲はデューク・ジョーダンです。ジャケットもこちらの方が『危険な関係』っぽいので今回はデューク・ジョーダンの方を採用。

★Jazzの”危険な関係のブルース”は映画の『007』やアニメ『ルパン三世』のテーマ曲みたいな感じでテンポのいいドラマティックな曲調です。

★『ルパン三世』のテーマ曲を作曲した大野雄二氏も曲を作るときに”危険な関係のブルース”から大いに着想を得たのではないかと個人的には思っています。

興味のある方はYouTubeで聞いてみてください。カッコイイ曲ですよ!

http://www.youtube.com/watch?v=xtEg3WQcHx0





2012年10月12日金曜日

月読・今昔物語Ⅲ


★月読を作って頂いた大工さんは70歳をこえる長崎県、五島列島出身の方でもとは船乗りだったそうです。息子さんお二人も大工を継いでおられて親子3人で工事に携わっていただきました。

★この大工さん(オヤジさん)、釘を1本も使わずに家を建てられる技術をもった数少ない腕前の持ち主だそうで、本来は月読のような小規模の、それも安く値切り倒したような工事をする方ではないと私の友人の工務店社長(月読工事監督)が何度も言っていましたが、たまたま手が空いていたらしく引き受けていただきました。

★月読の床板は大工さん達に来ていただく前に自分で剥がしておきました。(経費節減対策の一貫です)


★この剥がした床板や垂れ壁に使われていた材木は100年近く前に使われていた材料だけあって良質のもので、しかもほどよく使い込んだ風合いがあったのでそのまま店の腰板やカウンターの垂直部分に使われています。


★先程、ご紹介した『釘なし』の仕事も出来る大工さん、こんな廃材を再利用する仕事は初めてだったにもかかわらず楽しんで作っていただきまして、フシを揃えて模様を作ったり①、長い年月の間にできた日焼け跡で柄を作ったり②して、店に望外のアクセントをつけてくださいました。


①(写真上)入口横の腰板。4つのフシでアールが描かれています。




②(写真上)入口正面。 日焼け跡をレンガ模様に見立てて。





★入口付近、遠景。



★こうして出来上がったBar月読ですがちょっと面白いエピソードがあります。

★月読を開店するにあたってアドレスを知っている方に案内状を送らせて頂いたのですが、オープン当日にある年配の女性から電話がありました。

「もしもし、お久しぶり。開店おめでとうございます」

「ああ、〇×△さん、お久しぶりです。おかげさまで・・・ありがとうございます」

お互いにひとしきりの挨拶を終えたあと、その方が、

「そこ、昔、私が50年間住んでいた家なのよー!!」と。

★聞けば彼女の祖父母からのお住まいだったらしく、家業としておもちゃ屋さんをこの場所でされていたそうです。その後、彼女の代になって別の家に引っ越され、その新しい家の近くでおもちゃ屋さんも継続されていました。(新しい方のお店は何度か伺ったことがありました)

★そして一旦、この建物は印刷会社になり、今では1,2階がセパレートになり2階にBar月読があります。私は印刷会社後の荒れた建物しか見ていないので、往時の賑やかだったであろうおもちゃ屋さんの姿は知りません。でもきっとお小遣いを握りしめて子供達が集まる夢のような場所だったのでしょう。


★これからも”縁”というものを感じつつ、この場所に携わっていただいた方々の想いを大切にして、この場所と建物を大事に使わさせていただこうと思っています。





2012年10月11日木曜日

月読・今昔物語Ⅱ

★月読のある2階の部屋はもともと床の間や垂れ壁のある純和風の造りでしたが、印刷会社の倉庫代わりに使われていたようです。


★改装する前の時点で築96年でした。


★写真上は現在のカウンター部分です。


★今はこんな風。







★印刷物を置くためにベニヤ板が壁に貼りつけてありました。


★この建物でいちばん気に入ったのは窓が大きく開放感があったことです。あまり密室的なBarではなく気楽な開放感のあるBarにしたかったので。

★窓ガラスは改装前はすりガラスでしたが透明に入れ替えました。

 
 
 

★現在の窓の一部です。 その日の月齢に見合った月の暖簾をかけています。

★月読がオープンして最初の1,2年は窓から見た西側の景色が遺跡発掘調査中で空が広く、三日月が綺麗に見えたのですが、現在は御池中学が建ってグラウンドを眺める事ができます。たまにナイターでソフトボールやゲートボールを観ることも。


★窓の下側はレンガ。装飾用ではなく中国の古い建物から切り出した本物のレンガです。当時流行っていた、いわゆる町家風の店にはしたくなかったので敢えて一部を洋風に色付けしました。


★次回、もう少し続けます。


2012年10月9日火曜日

月読・今昔物語Ⅰ

★今年も早いものでもう10月の上旬を過ぎようとしています。これからあっという間に年末になってしまうのでしょうね。

★年末・・・12月がくればBar月読はまる8年が経ったことになり9周年目に入ります。とても中途半端な周年(笑)ではありますが、何となく思いついたのでちょっと月読の工事前を振り返ってみたいと思います。


★まずは全景図。


★印刷会社でした。1階と2階は屋内の階段で上がり下りできたのですが、1,2階をセパレートにするため建物左下の白い壁部分をぶち抜いて階段を外側に繋げました。


★上写真は工事前の階段を2階から見たところです。


★現在はこんな感じです。


★階段にはいくつかの月の飾りがあります。





★外側から入口階段を見たところ。


★玄関先にはイメージ・キャラの『ツクヨミくん』がお客様をお出迎え。(雨の日は店内に避難することもあります)



★これが現在の外側全景図です。1階は馬刺しの店で『ひごつ堂』です。営業中はこちらの店の明かりの方が断然目立つので、お客様の中にはこちらを目印にされている方も多くいらっしゃいます。



では次回は内装をご紹介いたします。





2012年10月6日土曜日

似たもの


★アブサンというお酒の名前を聞いたことがある人も多いかと思います。かつてフランスで大ブームになったものの、ツヨンという中毒成分が含まれおり安価で粗悪だったため身体を壊す人が続出し、遂には販売・製造禁止になってしまいました。ゴッホやロートレックが中毒患者だったというのは有名な話であり、その他の著名な芸術家もアブサンに取り憑かれた人は多数います。

http://bartsukuyomi.blogspot.jp/2012/07/blog-post_6700.html
(関連ブログ記事)



★アブサンが製造禁止されて幻の酒となったあとも人気は衰えず、ヨーロッパを中心に禁止薬物であるツヨンを入れずにアブサンに似た代替リキュールが数多く作られました。リカール、ペルノなどがそれにあたります。このいくつもあるアブサンの代替リキュールの総称をパスティスといいますが『似たもの』という意味です。



★ちょっと話がかわりますが、先月に私の誕生日があったもので、ありがたいことにお客様や友人からいくつものプレゼントを頂きました。

★そのひとつにシェーカーとメジャーカップがあります。


★ですがこれ、焼き物で徳利とお猪口なのです。


★銀色の釉薬が塗られています。
・・・良く出来ています。これはシェーカーの『パスティス』です。

★さて、さて問題はコレです。


★長くお付き合いのある方から頂いたのですが、聞けばどうも私に”似ているから連れてきた”ということらしいです・・・ (因みに石で作られています)

★野に返したら、ものの数分で野良猫の餌食になってしまいそうな間の抜けたお顔立ち・・・(笑)
コレ、似てるかなぁ・・・

★これは、 ・・・パスティスではない、と思うのだけれど。