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2016年6月13日月曜日

結婚と自由と、アイマスク

お客様とのよくある会話で…

「結婚っていいですか?」というのがある。

けっこう難しい質問で、どう答えても”後出しジャンケン”のように、こちらが負けるようにできている。

つまり、「結婚っていいですよ」というと、「ノロけちゃって〜。いいですね、奥さんと仲が良さそうで」、みたいな感じで冷やかされるし、逆に冗談でも「もう大変ですよ、結婚なんて…独身が羨ましいです」なんて答えようものなら、「これだから日本人の男性は伴侶を素直に褒めなくてダメなんですよ〜」と責められる。

だから最近では、この手の質問に対して、「イギリスの偉い学者さんは、”結婚前は両目を大きく開いて見ろ、結婚後は片目を閉じろ”と言ってますよw」とはぐらかして、責任をトーマス・フラーにすべて押しつけている。

そうすると次にこういう質問がくる。ほとんど必ずくる。

「でも…結婚したら自由がなくなるでしょ?」と。

ニュアンスはわからないでもないが、この質問には根本的な誤解がふたつあると思っている。

「就職すると自由がなくなるでしょ?」といって仕事をしない人はいない。(フリーランスを選ぶ人もいるだろうが、それはあくまでも自由度を秤にかけたわけではない)

つまり、ことの本質におけるメリットと本質でないところのデメリットを比べてみても解決には至らない。

もうひとつ。

自由ってなんだ?という問題だ。

時代や環境によって、自由の意味はまったく違う。

ローマ時代の奴隷は牢獄に入れられ、手足を拘束されていたとしても、現代の日本では、ほとんどの人は善良に生活していて刑務所暮らしをすることはない。

会社や学校に行かなくてよかった石器時代は、自由で良かったという人がいるかもしれない。

確かに時間的な自由はあるかもしれないが、不注意に出歩こうものなら、凶暴な肉食動物や他の部族に襲われる危険性があっただろう。そういう意味では、安全にその辺りを散歩できる会社員や学生の方がずっと自由だともいえる。

結局、現在において重要な自由というのは、”いかに多くの選択肢をもてるか”にかかっていると思う。ひとつよりもふたつ、ふたつよりもみっつの選択肢がある方がより自由だ。

結婚の話にもどると、質問者の意図は「結婚するとお互いに拘束されあうから、自由な時間が減る、あるいはなくなるでしょう?」ということなんだろうけど、”選択肢”の視点で考えると違う答えが見つかる。

世の中には”ひとりでは行動できないこと”、”伴侶がいないと楽しめない事柄”というものは多かれ少なかれ、必ず存在する。

そして”ひとりでしか楽しめない時間”も、お互いの理解と尊重があれば、結婚していてもそれを得ることは可能だ。

つまり「結婚する、しないは自由だけれど、結婚した方が”後々の選択肢は多くなる可能性がありますよ”。もちろん”そうなる相手を得られるかどうかはあなたの選択(人を見る目)にかかっていますが」ということになる。

…こう言うと(よほど気を許したお客様にしか、ここまで話さないけど)、まただいたい同じような反論が矢のようにとんでくる。w

「それは自分(僕のこと)が、それを得られた、いわゆる”勝ち組(この言葉はキライなんだけど)だから言えるんでしょ!」と。

ここだけの話ですがね、そんなことないですよ、理想と現実は違うんです。だって今、僕は自分用の”アイマスク”を探してるんだから…両目を閉じるために、ね。(これだから日本人の男性はダメなんだ……ああ、堂々めぐり)




さて、”自由”といえば有名なカクテルは『キューバリバー(リブレ)』

自由なるキューバ、万歳!という意味のカクテルで、独立戦争の合言葉に因んで作られました。
ラムにライムを搾って、コーラで割るという、なかなかジャンクなカクテルで、日本人のバーテンダーが率先して作ることは少ないかもしれませんね。

沖縄の伊江島で造られているラム、サンタマリア・クリスタルの個性的な香りがコーラに負けず良い感じに仕上がります。月読のレシピはそれ以外にライムではなくレモンを使い、輪郭をハッキリさせることを好んでいます。

あと、アンゴスチュラビターを一滴入れるのが隠し味。大人の自由は少しばかり苦いのです。





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