ホームページ

〜Bar月読ホームページ〜
http://bartsukuyomi.wix.com/home

2013年2月18日月曜日

『おいしい』の仕組みを考える Ⅷ


 作るのが最も簡単なカクテル

*ーー* 一本の道を照らし出す隠者 *ーー*


 ハイボールが人気を得た理由…

「♪ ウイスキーがお好きでしょ?」…宣伝広告のヒット、でもそれだけではありません。ハイボールが人気の理由、それは最も簡単に美味しく作れるカクテルのひとつだからです。

(簡単というと語弊があるかもしれません。定義上、スイートスポットが簡単に取りやすい、ということです)


★水とソーダ、大した違いがあるようには思えませんが…

作るのが難しいカクテル”水割り”に比べてハイボールが簡単な訳。


1 清涼感を重視するため、水割りよりも配合割合の幅が大きい

大手酒販メーカーや様々なレシピ本、ネット等で記されている配合割合は次の通り。

水割り ウイスキー 1 × 水 2(~3)

ハイボール ウイスキー 1 × 2(~4)

スイートスポットが広いのが分かります。


2 ソーダには味がある

ソーダには塩味、苦味などの水よりも味の複雑性に富む(定義②)、またその味はウイスキーのそれと同じものが多く、和合性(定義③)が強い。


3 薄まった刺激の代替は泡で補う

ソーダの持つ炭酸ガスの刺激がアルコールを薄めて飲み易くなった分の刺激を補うので、アルコール度数に弱い人ばかりでなく、普段、ウイスキーをストレート、ロック等で飲んでいるような人が、たまに清涼感を求めて飲んでも刺激の物足りなさを感じなくて済む。


4 水の致命的な弱点がソーダにはない

もちろんソーダで割るということはウイスキーをストレートやトゥワイスアップで飲むときよりも香は弱まります。ただ、全ての香が弱くなるわけではないのです。ここがハイボールを作るのが簡単なわりに美味しく飲める最大の秘密なのです。


   ソーダの最も面白い特徴

ウイスキーには複雑多種な香が混在していて、それがウイスキーの最大の醍醐味でもあります。

では、その多種多様なウイスキーの香の中で、”そのウイスキーの最も特徴的な香”をひとつだけ嗅ぎわけろ、と言われるとかなり難しいはずです。
「虹をみて最も特徴的な色は何か?」というようなものです。

ソーダで割るということはその対象となるウイスキーの香の殆どを抑えてしまいますが、その代わり、どれかひとつだけ、そのウイスキーの最も特徴的な香を突出して引き伸ばす特性があるのです。(個人的見解です)
このソーダによって引き出されたウイスキーの中にある、ひとつの特徴的な香は面白いことにストレートやトゥワイスアップで飲む時に感じるその香よりも、格段に判り易く現れます。


★ソーダには逆説的な利用価値が・・・

この事が何を意味するかといいますと、本来、水割りやハイボールにシングルモルトを使うのは勿体ないというのが定説ですが、(シングルモルトは“強烈な個性の香”を持ったの飲物であり、その楽しみを打ち消す、つまり香を損なう飲み方をするのは勿体ないということです)ソーダで割ることによって起こる、最も特徴的な香の突出性を考えた時、「ソーダ割りにはシングルモルト程、面白い」と言えるのではないでしょうか?

最も特徴的な香を浮き上がらせ、ストレートとハイボール、違う種類のシングルモルトモルト同士を飲み比べるのはとても興味深く、まるでミステリーを読んでいるような楽しさでもあります。




★最も美味しいハイボール

水割りの所では作り方の工夫にこだわりましたが、ハイボールでは作り方は定義上、簡単だと決めつけましたので、”ハイボールに合うもっとも美味しい銘柄”を独断で決めたいと思います。(銘柄は月読に常設してあるスタンダードなシングルモルトからの選択)

ソーダのもつ塩味、苦味の和合性を考えると、ある程度のクセがあり、塩味を感じられる銘柄。それと全体的に薄まる分、骨格の強いウイスキーがベストと考えました。

その結果、選んだのがタリスカーという銘柄。


ハイボールを作ってみて、(配合比は1:3)大当り。

かなり美味しく出来たのでこれでいいかと思ったのですが、とあるBarのスタッフからある残念な情報を聞きました。それは関東の方でタリスカー・ハイボールが流行りつつあるらしいのです。日本の輸入代理店がネットなんかでキャンペーンをして、巷に広がっているみたいです。(詳細は不明)

流行りの”後追い”的なコトはしたくないので、タリスカー以外のウイスキーをもう一度探し直さなければ…と一旦リセット。


ところが、月読にある全種類のスタンダード・モルト(15種)でハイボールを作ってみたのですが、(自分の好みとして)タリスカー以上のハイボールは見当たりませんでした。かなり面白い銘柄も幾つかあったのですが、タリスカーはソーダのもつ『最も特徴的な香を引き出す』という特性にいちばん和合するのです。

その引き出されたタリスカーの香は他のモルトにはみられない、かなり面白いものです。
ウイスキーの香はシトラス、南国フルーツ、白い花、バニラ、チョコレート、コーヒー、ナッツ、シナモン、ヨードなど色々なものに例えられますが、ソーダによって強調して引き出されたタリスカーの香は他のウイスキーには殆んど類を見ない『瓜系フルーツ』、つまりスイカやメロンのようなちょっと青臭い二アンスでした。そしてこの香はハイボールを作って時間が経っても、殆んどその香を損なわずに在るのです。

何度もこのハイボールを作って飲んでいますが飽きないですね、今のところ…。



よって月読版、最も美味しいハイボールは『タリスカー・ハイボール』に決定します。
もう既に流行っているというのがかなりシャクですがね。



0 件のコメント:

コメントを投稿