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2013年1月1日火曜日

夜空のムコウ

★大晦日と元日。結婚してからは休むようになりましたが、以前のBar月読は火曜定休以外はとくに休日を設けてはいませんでした。

★大晦日の営業パターンとしてはずっと暇で、その後、真夜中辺りから混み始め、午前3時頃はまだワイワイやっているという状況になることが多いのです。本来の閉店時間は午前1時。年末だからまあいいか・・・と。


★お客様がいつもよりも楽しそうに見える大晦日の夜。営業が終わって、大掃除が終わって、棚卸が終わって家に帰る道すがら。身が切れるような京都の冬の明け方です。自分だけが大晦日でもない、元日でもない、その狭間の不思議な空間にいるような感覚です。そんな気持ちでトボトボ歩いていると羨ましさとか、ちょっとした寂しさとか、なんかそんな風なものを感じるのです。
「あ~、オレって頑張ってるよなぁ・・・」なんてナルシスト的に呟いたりしながら。


★そんな時、歩き続けていると大通りの歩道を一人でホウキを持って掃除をしている人に出会ったりします。冷たい風に背中を丸めながら、街路樹の落ち葉とか昨日の喧騒の中、誰かが散らかしていった紙屑を一箇所に集めて掃除をされている人。まだ日も昇っていない暗く寒い朝のこんな時間・・・元旦なのに。街の至るところに、こんな人たちが沢山いらっしゃるのでしょうね。

★その集められたゴミの脇を、ポケットに両手を突っこんだまま足早に通り過ぎようとすると、ホウキを持ったその人は手を止めてこう言うのです。
「ああ。ゴメンナサイ(通行の邪魔をして)」って。


★邪魔なのはこちらの方で・・・さっきまでの自分の気分を省みて、なんかとっても申し訳ない気になって、なんか言わなければいけないコトバがあるはずなのに、喉の奥の方でモゾモゾしていて中々探し出せないのです。

★結局、歩くスピードは落ちることはなく、軽く会釈をして「いいえ」と言うのが精一杯。通り過ぎたあと、後ろの方からまたホウキを掃く音が聞こえてきます・・・穏やかな音、清浄なる音。誰も知らない夜の音。


★日が昇り、新しい生活が動き出し、いい一年になりますように。 

・・・マダマダ シュギョウ ガ タリマセン


http://www.youtube.com/watch?v=-B9F_FQObL4
(夜空のムコウ スガシカオ)





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